きんつぎ

21件の記録
- 犬塚@kanpanella2025年3月27日買った読み終わった@ 自宅大きく見開きで描かれた、ある動物が、一度だけ、出て来るのだけれど、その動物を見た瞬間、とても不思議だけれど、優しさや、柔らかさや、安堵や、そういうような、安らぎを、私は感じました。台詞は無いです。唸るくらい、見事な印刷技術!黒いインクの匂い、頁紙の手触り。美術品のように美しいけれど、ちゃんと手に取れる、絵本です。
- 久禮亮太@ryotakure2025年3月9日読み終わった紹介@ フラヌール書店この絵本が描くのは言葉のない無音の世界だけれど、アンビバレントないくつもの感情をたしかに私たちの心の中に想起させてくれます。深い悲しみと回復を、劇的ではないけれど、淡いけれどたしかなグラデーションとして描き出してくれます。 うさぎはある日、一緒にお茶をしていた鳥に去られます。鳥を追ってどこまでもうさぎは行きます。深い海に潜り色彩のない者たちの世界に絡め取られそうになりながら、それでも追います。でも、鳥に再び会うことはありませんでした。旅を経て うさぎは鳥と暮らした日常の断片をつなぎ合わせて、新しい小さな幸せを育てることにしました。 こんなふうに、ある日突然大切にしているものを失う、カップが粉々に割れてしまうような経験を、私たち誰もがします。それでも私たちは喪失を受け入れて、新しい日常を取り戻す日がやがて来ます。 作者イッサ・ワタナベはあとがきでこう書きます。 「物事が二度と元通りにならないことを受け入れるのは、時間のかかる、時に大変辛いプロセスです。けれど私たちは、いずれすべては新しい均衡に達するのだと信じるほかありません。」 ひび割れた心の「傷を愛する」ことを彼女は陶器の金継ぎになぞらえ、この詩的な魅力のあるタイトルとなりました。 憂いを帯びた絵の世界のあと、巻末に添えられたエミリー・ディキンソンの詩がうたう「希望」が、鮮烈な印象を持って飛び込んできます。 黒を背景に細やかで色鮮やかに描かれた絵を、紙の手触りと合わせて、ぜひお手に取って感じてほしい本です。 ■フラヌール書店のウェブストアでも買えます📚 https://flaneur.base.ec/items/100983293
- ぺこった@pecotta2025年3月5日買った@ 丸善 ラゾーナ川崎店書店で立ち読みした。文字はなくて絵だけの絵本。さいごちょっと涙が出た。毎朝この本を開いてから出勤したらていねいな人になれそうな気がした。そして、本の匂いがすごい。紙の匂いかインクの匂いか。深呼吸したくなる。買って帰った。 買ったものはビニールで覆われていて、家に帰ってゆっくり絵を堪能しようと思っていたけど、ビニールの隙間から紙の匂いを嗅いで満足してしまう。ビニールを剥いだら、この匂いはやがて消えてしまうかもしれない。どうだろ?消えたらまた買えばいいか。今日寝る前に読んで寝る。