ひとりあそびの教科書

8件の記録
- 勝村巌@katsumura2025年7月15日読み終わった河出書房の「14歳の世渡り術」というシリーズのうちの一冊。未来が見えない今だから考える力を鍛えたい、というキャッチフレーズで、現代的な切り口の世渡り術を紹介してくれている。 この本では評論家の宇野常寛さんが、ランニングや虫捕り、旅、コレクション、ゲームなどの切り口で一人の時間を充実させる方法を紹介している。 中学生〜高校生をターゲットに語りかけるような文体で書かれているので、親しみやすい。学校の体育が嫌いだったとか、仕事での飲み会が大嫌いとか、文型オタク気質の人が共感できるような自分語りが共感を呼ぶ。 他人の評価をSNS上のプラットフォームでやり取りすることに夢中になることがエスカレートすると、人の悪口ばかりが無限に増殖していく現代社会。 その不健全さに警鐘を鳴らし、自分と向き合うことで自分を自分で承認できるようになることが、ひとり遊びのススメと言えるのだろう。 YouTubeの配信ではこの著者が40代の孤独との向き合い方、みたいな話をしているものも聞いた。その孤独は僕(48歳)も実感しており、共同体幻想みたいなことではなく、孤独に生きることをエンジョイできるように人間関係を設計する大切さも感じた。そういうこともあって読書は大切にしていきたい。
- 森@mori162025年4月6日読み終わったランニングの話よかった。 タイムや距離を気にしない、身体を動かすこと自体の気持ちよさと自由さ。好きな道を、好きな速さで気の向くまま行くことができる。乗り物と違って何でも決められる。土地の位置や方角の感覚が取り戻され、場所を点ではなく、線や面で捉えられる。土地の高低、気温や匂い。どんな人や建物があるか、身体で街を深く知ることができる。街と街のつながりが見える。 日帰りで行ける好きな場所を見つけ、繰り返し訪れる。もいい。自分の生活圏にないものがあった、何度も行ってみる。ちょっと調べてみる。その違いから、自分の街とは違う仕組みや事情が見えてきて本のように街を読むようになる。少し離れた所に、普段暮らす場所と別の世界が広がっている。それに気づくと、季節がめぐるのがずっと楽しみになる。