東の海神 西の滄海 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)

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- こまち@komachi03192025年6月26日読み終わった再読中6/26再読。 『東の海神〜』はシリーズの中でも好きな話なので割とサクッと読み終えることができました(魔性の子や月影上巻、白銀あたりは読むスピードが遅くなる)。 冒頭の折山の荒と言われる雁州国を見ながら交わされる会話が尚隆と六太の関係そのもので、このまま500年が経つんだなと思うと感慨深いです。 初読時の感想と同様、尚隆という人の生き方に個はなく、国のために生きるのが当然だと疑問なく思う様子への怖さはあれど、小松の国や民を失ったことを今も忘れず後悔を抱えて生きていて、その全てを抱えてなお、冒頭の荒廃した国土を前に尚隆の反応を不安に思う六太に笑ってみせる尚隆さまが大好きですね。 そして、『黄昏の岸 暁の天』のラストで六太が陽子に言う「人を助けることで、自分が立てるってこともあるからさ」というセリフは、まさに六太が尚隆に思い続けていることだと思います。 最後に、作中の「正義を語る者が必ずしも全く正義の者ではない」は、今のこの世の中にも当てはまることでとても印象深い一文です。
- こまち@komachi03192025年3月12日3/6読了。 雁の二人の話。六太と尚隆がそれぞれ抱えた過去と雁が国として復興していく話がうまく噛み合っています。 尚隆は民がいれば王として生きるのが当たり前だと思って玉座に座っているのだろうけど、この動機で500年統治するというのは実は非常に難しいのでは?と思ってみたりもしました。 ふざけているようで実は非常に細かいところまで気を配っていたり、いざという時の大胆不敵な行動など王としては素晴らしいし大好きだけど、王であることの葛藤なども感じられずどことなくつかみどころがない人だという印象も。 私は延王と延麒の契約が一番好きなのですが、あの後冒頭の荒れた国土を眺めながらのやり取りがこの二人の関係を象徴しているようで大好きです。 自分がもし海客になったら、絶対雁に行きたいですね。