折れた竜骨 上 (創元推理文庫)

折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
折れた竜骨 上 (創元推理文庫)
米澤穂信
東京創元社
2013年7月12日
6件の記録
  • ⭐️⭐️⭐️⭐️ 魔法が存在する世界で、完璧な「論理」は成立するのか? ミステリファンの間で長年語られてきたこの難題に対し、米澤穂信がひとつの鮮やかな解答を提示したのが『折れた竜骨』です。 舞台は12世紀末、北海に浮かぶソロン諸島。剣と魔法、そして呪われた海賊が跋扈する重厚なファンタジー世界を舞台に、緻密な論理の糸が張り巡らされた本作は、推理小説の常識を覆す圧倒的な読書体験を約束してくれます。 ■閉ざされた島と、見えない暗殺者 物語は、ソロン諸島の領主の娘・アミーナの視点で幕を開けます。 不死の怪物「デーン人」の襲来に備え、島には魔術師などの傭兵たちが集結していました。そこへ現れた放浪の騎士ファルクは、「恐るべき魔術を操る『暗殺騎士』が領主の命を狙っている」と告げます。 しかし厳重な警戒も虚しく、領主は館の中で何者かに惨殺されてしまいます。 さらに、塔に20年間幽閉されていた不死の捕虜までもが密室から忽然と姿を消し、島は疑心暗鬼の渦に飲み込まれていきます。 ■最も恐ろしい魔法「走狗(ミニオン)」の謎 本作の謎解きを極めてスリリングにしているのが、暗殺騎士が使う〈強いられた信条(モットー)〉という邪悪な魔術です。 これは、任意の人物を操り人形(走狗)に仕立て上げ、標的を殺害させるというもの。さらに恐ろしいのは、操られた人間は「殺行時の記憶を完全に失う」という点です。 つまり、島にいる曲者揃いの傭兵たちが疑わしいだけでなく、「自分自身すら無意識のうちに手を下しているかもしれない」という恐怖が常につきまといます。 容疑者はアミーナ自身を含む8人。 見えない糸で操られているのは一体誰なのか。この特異な設定が、かつてない緊迫感と心理戦を生み出します。 ■ファンタジーの皮を被った「極上のパズル」 魔法が存在する世界ならば、何でもありの解決になってしまうのではないか。 そんな懸念は、読み進めるうちに心地よく裏切られます。著者は「この世界における魔法のルールと限界」を厳格に設定し、その制約の中で生じる矛盾や手がかりから、犯人を極めて論理的に絞り込んでいくのです。 そこにあるのは、魔法という名の「新しい物理法則」を用いた、精緻極まりないパズルです。 歴史小説のような緻密な世界観に浸りながら、研ぎ澄まされたロジックに感嘆する。 上巻に散りばめられた幾多の伏線は、やがて来る下巻の怒涛の展開に向けた美しい布石に過ぎません。 極上の謎解きと壮大な冒険が融合したこの傑作の目撃者に、あなたもなってみませんか。
  • 波兎
    波兎
    @usa050
    2026年9月21日
  • seiji_touka
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    @seiji_touka
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  • touno
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