海の沈黙・星への歩み (岩波文庫)

4件の記録
- さんさ@sansa2025年3月11日読み終わった文庫に所収される二編は、いずれも「裏切り」の悲劇。それぞれ信じていた存在(国)に裏切られた、男の話。思想や背負った背景が原因で、その時代に“生きられない”人たちを描いている。 ▼note記事 https://note.com/bright_borage399/n/nffd4b6ab55a1
- 𝘪𝘯𝘰𝘳𝘪@fysminr2024年2月14日読み終わったずっと読み続ける@ 自宅かなり好き ・海の沈黙 ヴェルコールの文体は好ましい硬さをしている 絵を描く人だからか、視点が上手に人体の形や色味を語っているのが、じんわり好き あとがきに書かれたように「善意のドイツ人将校フォン・エヴレナク」の痛切さに身を捩じ切られるような思いがした ・星への歩み 凄まじかった トーマの暗殺された愛 ホチキス式機関銃で殺されたトーマ ホチキス式機関銃はフランスの会社が開発したものらしい 昔馴染みの赤髭の小男が憲兵になっていたことに気が付かず、いつもの微笑みで肩を叩いた。すると脇腹に拳銃を放たれた 「ちがう……ちがう……」と言って死んだトーマ 題名である「星」が、キリスト教になぞらえてイエスが生まれる日に三人の博士たちが導かれた星であると同時に、ユダヤ人だという印としてつけることを強制されたあの星のことでもあるのだと知って、喉元が締まった 魂が変容する体験だった