ザ・ドロップ
7件の記録
DN/HP@DN_HP2026年1月3日クリスマスの二日後に読みはじめた小説の続きを読み終わって、この世のままならなさを思っている。 「そうさ。たんに、なんというか、いろいろへまをして、それを挽回しようとまたへまを重ねて、そのうちそれがそいつの人生になるだけだ」






DN/HP@DN_HP2025年12月27日「買い物を終えてレジスターが鳴ると、ボブの体を震えが駆け抜けた。財布を取ろうとしたそのとき、まわりの世界が崩れ去った。喉がかっと熱くなり、頭のなかで泡が弾けるような感覚があった。震えが去り、喉の火照りが消え、頭もすっきりし、レジ係にクレジットカードを渡して初めて、ボブは突然消えたその感覚が何だったのか悟った。 あの一瞬、というより連続する瞬間——どれもこれが決め手というほど強くはなかったが——ボブは幸せだったのだ。」 ところどころ映画のシーンを思い浮かべながら読んでいる。


DN/HP@DN_HP2025年12月22日昨日意外なところで映画の方のタイトル(邦題の方『クライム・ヒート』)を聞いて結構あがってしまった。オールタイム・フェイヴァリットな一作。また観たくなった。DVDも欲しいんだよな。 そしてやはり小説も本当に素晴らしい。大好き。ここで語られる物語は「クリスマスの二日後」からはじまるから、読み直すなら今がタイミングかもしれない。ちなみに、映画の「原作」はこれじゃなくて「アニマル・レスキュー」という短編で、それを元にデニス・ルヘイン自身が脚本を書いて、さらにそこからセルフ・ノベライズしたのがこの小説。そういう意味でも完全に仕上がり切っている傑作。水戸部功さんの装丁もとても良い。





DN/HP@DN_HP2025年9月17日かつて読んだまた読みたいとある作家のデビュー作を読み終わると、デニス・ルヘインの小説が読みたくなっていた。いちばん大好きな、罪を背負い孤独に沈んでいる男が犬を救うことから始まる物語を手に取る。 男の罪や孤独に、それぞれの“間違った”やり方で人生を解決しようと踠く人々の姿に、自分の人生を重ねていた。本の中でも現実でも、世界も人生も残酷だ。 それでも、それぞれがそれぞれの理由で“間違って”いくなかで、男に訪れたような、偶然で特別な、罪を忘れられる、人生を変える、あるいは取り戻そうと思える、幸せだと気づける瞬間は訪れる。そうも信じたい。信じている。そんな瞬間が訪れたとしても「この世はままならない」のかもしれないけれど。そこに犬が居れば。そんなことを思う。 読み終わった本をポケットに入れていた帰り道、SNSで流れてくる犬の皆さんの写真をスクロールして、この小説で救われるアメリカン・スタッフォードシャー・テリアにつけられた聖人の名前を、まだ見ぬ仔犬に呼びかけている人生を想像していた。いつもの道ですれ違う犬を少しだけ長く目で追っていた。「おれはあの犬を育てたいだけだ。」追い詰められたときに男に浮かぶ言葉を思い出す。ああ、わたしの隣にも犬がいればなあ。 読み終わったときの気分は決して明るくはならないし、この気分をどういう言葉で表せば良いのかも分からなかった。それでも世界、人生を残酷だけれど真摯に描いた小説は、ままならないけれど、やはり素晴らしいし大好きだと思えた。きっとまた何度も読むと思う。いつかのそのときには、隣に犬が居てくれれば最高なのだけれど。 「ボブは子犬を見つめた。どうしてこんなところに、とでも言いたそうな眼で子犬が見つめ返した。ボブは人差し指でその鼻に触れた。子犬は大きな眼をぱちくりさせた。一瞬、ボブは自分の罪を忘れた。」












