呼び覚まされる霊性の震災学

呼び覚まされる霊性の震災学
呼び覚まされる霊性の震災学
東北学院大学
金菱清
新曜社
2016年1月1日
3件の記録
  • LUCiA
    LUCiA
    @gogo
    2025年3月29日
    タクシードライバーが邂逅した幽霊現象、という宣伝文句に惹かれて読んだが、そこから連想されるようなちょっと不思議な物語、という本ではなかった。大学のゼミの研究論文集だ。幽霊現象についても地道に学生が聞き取り調査した結果の論文だ。切なく悲しいお話と言うより、淡々といくつかの幽霊現象について聞き取った結果を上げていき、論考を披露している。もちろん、一つひとつの現象は思わず涙がこぼれそうになるものが多い。 他の学生の論文も、震災によって引き起こされたさまざまな問題について調査した内容だ。慰霊碑や震災遺構(原爆ドームのようなもの)、大量死の際の火葬、お墓の問題、心のケア、消防団、避難区域の野生動物問題など、このような事象が問題としてあったのかと、知らないことだらけだった。どれもこれも、感情を排除した論文調(論文なのだから)で淡々と書かれているので、最初は不謹慎ながらもちょっと面白くないなと思って読んでいたのだけど、だんだんとクセになる。そこまで深く考えるのか、そう言う意味があるのか、と書いた方の粘り強さに感動する。読み手としては、「知る」ことの大切さに気づいてしまった。とてもまじめな本だ。
  • 3/11。もう14年も経つ。 震災のあと、弔われた人たちのこと、残された人たちのこと、どれだけ哀しかったろうか……。 学生の論文をまとめたものだけど、意外と読みやすかった。 震災当時は高校生で、小論文のテストを受けていました。ただごとでないほど揺れて、避難訓練以外で机の下に隠れるのは初めてでした。机の脚を掴んでも、揺れすぎて頭を守れなくて怖かったです。 そこからは停電&断水で、携帯でも公衆電話でも親に連絡がつかない。 自宅に自力で帰れず、当時の彼氏の家へ。 夜の20:00すぎに親が迎えに来てくれて、いつもは30分の距離を信号のつかない真っ暗ななか、1時間かかって帰りました。 そのあとTwitterやラジオで岩手と宮城がとんでも無いことになっていることを知りました。 数年後、大船渡にボランティアに行きました。 震災の時間に止まった時計台、まっさらになった海辺、2階分の高さの津波の跡。 衝撃でした。ほんとうにあの時津波が来たんだと怖くなりました。 えもいわれぬ気持ちで地元に戻ったことを思い出します。 そして、今年は大船渡で山火事。津波から逃げて、海から遠く不便な山へ生活を移したのに、今度は火事。 どうしてこんな……。 大船渡の人たちを思うと辛くて仕方がない有り様です。
  • せんさー
    @sensor
    2025年3月12日
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