花・死人に口なし 他7篇

4件の記録
- RIYO BOOKS@riyo_books2025年8月9日読み終わった幽靈。──幽靈はゐる。確かにゐる。──死んだものが生きてゐるふりをするのだ。凋んだ花が徴臭くなつても、それは花咲き、薫つてゐた頃の思ひ出にすぎない。我々が死んだ人達を忘れないかぎり、彼等はまた歸つて来る。──彼女がもはや話すことが出來なくても、それはどうだつていゝことだ。──私は今でも彼女の聲を聞くことが出來る。彼女はもはや姿を現はさない。しかし私は今でも彼女を見ることが出來る。