地ごく

地ごく
地ごく
献鹿狸太朗
講談社
2024年1月18日
5件の記録
  • もん
    もん
    @_mom_n
    2025年7月29日
    『地ごく』と『天獄』の2篇、どちらも面白かった。特に『地ごく』のエネルギーに満ち溢れた久野の語りは読んでいてとても気持ちがいい。 私はやっぱり救いのない物語にこそ救われている。 p.19 痛みを知っているから優しくなれる人間なんて初めから選ばれた一握りの存在で、その他大勢のカスは自分の受けた痛みや挫折をほかの誰かに味わわせることに注力するものだ。苦しみのノウハウは予防でなく謀略に再利用されるのだ。みんながみんな足を引っ張り合うものだから、足の引っ張り方ばかり上達していった。 p.31 地獄に堕ちるのは罪を犯した者なのかもしれないが、地獄に堕ちる人間によって現世を地獄にされている生き物の方がずっと苦しく救いがなかった。 p.78 いくら美しい花でも、小さなプランターから出られなければ自分の根っこで溺れるしかなかった。大地に根を張って他者と繋がれない限り、己の妄想が杞憂であれ真実であれ正解に辿り着くことはできないのだ。 p.104 上を見たって下を見たって救われないから、やがては後ろを向いてしまう。戦略的撤退ではなく、無計画な敗北がいつも耳元で愛を囁いた。こと弱者にとって敗北はルーティンで、現状維持は唐突な幸福より身体に良かったのだ。いつ取り上げられるかも分からない幸せなど、なにがあっても離れてくれない惰性の不幸より信用がなかった。
  • さみ
    @atoz8
    2025年3月22日
  • ysys
    @ysys
    2025年3月20日
  • 今まで知らなかったことが悔やまれる作品に出会った。言葉のセンスがすごい。文字でも読みたいと思った。
  • 33
    33
    @motelhell
    1900年1月1日
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