The Empusium

5件の記録
  • gato
    gato
    @wonderword
    2026年4月8日
    216pまで。 Thiloと一緒に墓地を見て回ったWojniczがこの土地に潜むものの気配を感じ取りはじめてから加速度的に面白い。アルプスで孤独に生きる男たちのダッチワイフ 'tuntschi'をめぐる色々、予想以上にヤバい酒だった'Schwärmerei'、その酒に取り憑かれて夜中に起きてくる結核患者たちの談義とその裏に張り付いた恐怖。 若き風景画家のThiloがカンディンスキーやレジェと共に名前をあげた同時代の画家、Robert DelaunayとLyonel Feininger。検索してみると非常にカッコいい。 'Drive your plow over the bones of the dead'と同じく、昨今言うところの「因習村ミステリ」を「因習」側から書いているような味わいがあって、異物になった都会人の居心地悪さと、そいつらの傲慢さを陰で笑う地元民双方に共感して楽しめるところが意外にエンタメ度高い。
  • gato
    gato
    @wonderword
    2026年4月5日
    153pまで。 正教会で奇妙なイコンを見る。キリストを抱く若いマリア、を膝に乗せるアンナ、を更に膝に乗せている老婆エメレンティア。エメレンティアは中世にマリアの祖母としてドイツ周辺で信仰されていたローカル聖人らしい。知らなかったし作中でも蘊蓄オタク以外に知られてなかった。教会自体は療養所ができてから金持ちの患者が建てた最近のもの。 Thiloの生い立ち。墓を見に行って不気味な偶然に気づく。Thiloは元々マチズモを嫌悪しているからEmpusaの意思に勘付いたのか、勘付いたあとで〈女〉談義を控えるようになったのか。Wojniczはただのボンヤリくんなのか、ポツポツ思いだしている記憶に何か仕掛けがあるのか。 エメレンティアに関する議論がこの前読んだ'How to kill a witch'そのものだった。そして都会からの場違いな参拝者、ローカル聖人、不快感を催させるイコン、というモチーフはエンリケスの'A local artist'と同じ。やっぱホラーだよ。
  • gato
    gato
    @wonderword
    2026年4月2日
    108pまで。 高山地帯の療養所に集まった知識人男性たちによる〈女とは〉談義で繰り広げられる意見はすべて古今の男性諸君の著作から採られたものらしく、まるで『問題だらけの女性たち』を小説化したような感じ。 地縛霊的な語り手'we'は女性的な(あるいは21世紀的な)視点から彼らの姿を滑稽に描写するので一緒にツッコミながら楽しく読めているのだが、今でもこういうことを口走るヤツ(性別問わず)はいるしそこにトラウマがあるとキツいかもなぁと思う。 図らずも大好きな英文学YoutubeチャンネルGlutenbergBibleの最新動画 "The mad woman in the attic in Gothic lit" でフェミニズム批評が生まれてくるまでの文学史的な流れを復習できたのも繋がりを感じる。 https://youtu.be/jtY4ZrhxiyU?si=T4vkJjJDTEaiza3C
  • gato
    gato
    @wonderword
    2026年3月30日
    下敷きになっている『魔の山』を読んでないけど大丈夫かな〜と思いながら手をつけてみたら、一人称複数の幽霊(的なモノ)視点なのが好みにぴったりでスルスルと読める。 人物描写でやたらと靴にクローズアップするのだが、これは一応の主人公(≠語り手)Wojniczがずっと下を向いていることの示唆なのかしら、と思っていたら、 'We like inspecting boots.' p.87 と言われた。幽霊たちの趣味らしい。
  • gato
    gato
    @wonderword
    2026年2月1日
    ついでにトカルチュクの最新長篇も。『魔の山』を下敷きにしてるらしいけど読んでないんだよな。
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