銀河帝国の興亡1【新訳版】

銀河帝国の興亡1【新訳版】
銀河帝国の興亡1【新訳版】
アイザック・アシモフ
鍛治靖子
東京創元社
2021年8月31日
6件の記録
  • @sotaono
    2026年9月28日
    p24 「彼の目に映っているのはただ、ひとつの惑星を傲慢にも徹底に征服してのけた、人類による最大の偉業だった。」 p30 「「わたしの言葉を盲目的に受け入れないのはよいことだ。しかしながらこれは、命題の立証に役立つ近似値だ。それは認めるね。」」 p41 「ガアルにとって博士は、この世界に唯一残された不動のものだった。」 p43 「A以前も申しあげた。もう一度くり返そう。トランターは今後五世紀のうちに廃墟と化す。 Qその言葉が不敬にあたるとは思わぬのか。 A思わぬ。科学的真理は敬不敬を超えたところにある。 Qおのが発言が科学的真理をあらわしていると確信しているのか。 A確信している。 Qいかなる根拠によってか。 A 心理歴史学の数学的処理によって。 &その数学的処理が正しいことを証明できるか。 A 相手が数学者であれば。 Q (微笑し)ではあなたは、あなたの真理はあまりにも難解であるため、一般人の理解を超えていると主張するわけだな。真理とはより明快で、謎めいておらず、受け入れやすいものであるべきではないか。 Aいともたやすく理解する者もいる。熱力学として知られるエネルギー転換物理学は、神話時代より人類の全歴史を通じて明快な真理とされているが、動力エンジンの設計ができない者もいるだろう。高い知力をもった人間であってもだ。学識豊かな委員諸氏は……。」 p48 「A 説明は簡単である。きたるべきトランター滅亡は、それ自体、人類の発展段階において孤立した単独の現象ではない。数世紀前にはじまり、これまで絶えず加速度に進展してきた複雑なドラマのクライマックスである。諸君、そのドラマとはすなわち、いま現在進行中の銀河帝国そのものの衰退と滅亡である。」 p50 「A 人類の知識を保存することによって。人類の知識総量はひとりの人間に扱いきれるものではない。千人でも不可能である。社会機構の崩壊により、科学は分解して百万もの断片と化す。個々人に知り得るのは、どれだけ大量であろうと、知るべき知識のあまりにも小さな断面にすぎなくなる。そうした断片そのものは無意味で役に立たない。無意味な知識の断片は伝えられることなく、数世代のうちに忘れられてしまう。しかし、いますべての知識の集大成をはじめれば、それらが失われることはなくなる。きたるべき世代はそれを基盤として構築され、自力で知識を再発見する必要もない。三万年の努力が一千年ですむのだ。 Q それらすべては── Aそれがわたしのプロジェクトである。わたしの集めた三万人は妻子とともに一心に『銀河百科事典』編の準備に取り組んでいる。彼らの存命中に完成することはない。わたしもまたおそらくは、そのはじまりをすら見届けることはできない。だがトランター滅亡のときまでには完成し、銀河系の主要な図書館すべてにそのコピーが備わることになるだろう。」 p53 「「わたしは今後五年も生きることはできないでしょう。」セルダンは答えた。「それでも、どうしようもないほど心悩ませておりますよ。理想主義といってもいいでしょう。“人類”と呼ばれる神秘的概念に自分が属していることを確認しようとしているのかもしれません。」」 p56 「その言葉を聞いて、ガアルの心臓が一瞬鼓動をとめた。死をまぬがれたことで、心は大きな歓喜に満たされている──それを喜ばない者はいないだろう。だが深い安堵にひたりながらも、彼の心のごく一部は、セルダンの敗北に小さな失望を味わっていた。」 p61 「「”星界の果て”につくられるということをね。わたしはもうすぐ死ぬのだから、そのあとのいろいろはきみ自身がその目で見てくれたまえ──いやいや、驚くことはない、気遣いの言葉もいらない。わたしはあと一、二年も生きられないと医師が言っているのだよ。だかわたしはこの人生において意図したことを成し遂げた。人としてこれ以上に幸せな死に方があるだろうか。」」 p80 「「この討議は完全に論点がずれておる。テルミヌスは惑屋ではない、偉大なる百科事典を編纂するための科学研究機関だ。いやはや、あなた方は科学に対する敬意というものをもっておられんのか。」」 p82 「「そうじゃない。あれは単なる環境の産物だな。あの男が理解しているのはせいぜい、『自分は銃をもっている、こいつらはもっていない』ってことだけさ。」」 p92 「じつをいえば、話を聞いてさえいなかったのだ。彼は新しい思考の道筋をたどっていた。物事が──ほんの少しではあったけれども──おさまるべきところにおさまろうとしていた。あの角とこの角がちょうどあわさる。ひとつ、ふたつとつながっていく。心理歴史学が鍵だ。それは間違いない。懸命に、かつて学んだ心理歴史学理論を思いだそうとした。そしてそこから、まずひとつのことを理解した。セルダンのように偉大な心理歴史学者は、人の感情や反応を解読し、未来における大まかな歴史の流れを予言することができる。ということはつまり──なるほど!」 p107 「「暴力は無能者が用いる最後の切り札ですよ。」」 p109 「「あからさまな逃避だ!ファラ博士、まさしく天才のみに可能な思策中の愚策。凡人には到底受け入れられるもんじゃない。」」 p111 「「見ようといでいないからだ。一度だって見ようとしたことがない。あんたたちは最初、そもそも脅威があることすら認めようとしなかった! それから、盲目的にして絶対的な信頼を皇帝におくことで安堵してしまった!そしていまは、その信頼をハリ・セルダンにおきかえようとしている。最初から最後まで、あんたたちは終始一貫して、権威に、もしくは過去に、すがってきたんだ──一度も自分で行動しようとしたことがない。」」 p122 「「きみたちの未来の歴史がどれほど迂遠な道をたどろうとも、これだけはつねに子孫代々の心に刻みつけておいてほしい。道はすでに計画されている。そしてその果てには、より偉大なる新帝国が待っているのだ!」」 p129 「猛きものもついには滅びる、だ!」 p131 「「そうだろうね。もちろん意見をもつのは自由だ。それにきみはまだ若い。」「たいていの人間は人生において、その欠点をともなう時期を必ず経るものでしょう。」サーマクが淡々と答える。「ここの市長になったとき、あなたはいまのわたしより二歳も若かったと思いますが。」」 p135 「ハーディンは優鬱な気分で若者のささやかな金色の口髭を見つめた。サーマクは絶対な自信をもっている。さもなければこれほど多弁にはなれない。彼の発言は間違いなく、市民の大多数の意見を反映している。そう、大多数をだ。」 p152 「「物事がそのように進むだろうことは、誰もが知っています。ですが、だからといって危険を冒してもいいのでしょうか。漠然とした未来のために、現在を危機にさらすのですか。」」 p153 「「セルダンの高等心理歴史学をもってしても限界があるからだ。あまりにも多くの独立変数を扱うことはできない。長期であれ短期であれ、個人を対象とすることはできないのだ。気体分子運動論を個々の分子に適用できないのと同じだね。彼が扱ったのは群衆たる全惑星の住人──それも、自分たちの行動の結果に関する予備知識をもたない群衆だけだ。」」 p163 「「なんということだ。まさしく叔父上の言われるとおりだ。わが国が先制攻撃をしかけなくてはならない。それこそが正しい自己防衛手段だ。」」 p187 「「ああ、きみの有名な格言なら聞いたことがある。『暴力は無能者の最後の切り札なり』か。いいかね。」──摂政はいかにもほんやりとしたていで、片方の耳を掻いた──「わたしはけっして自分を無能者だとは思わんがね。」ハーディンは沈黙を守ったまま礼儀正しくうなずいた。「にもかかわらず。」ウィーニスがつづける。「わたしはつねに直接行動を信じてきた。目にまっすぐつづく道をつくり、そこを歩むことこそが最善だと信じてきた。そうやって多くのことを成し遂げてきたし、これからも成し遂げられることを疑ってはいない。」」 p204 「「昔々の寓話がある。」ハーディンは語った。「たぶん人類そのものと同じくらい古いものだよ。それを収録したもっとも古い記録もまた、それ以上に古い記録の写しにすぎないのだからね。きっとあんたも興味をもつだろう。こういう話だ。狼という強く物騒な敵がいたため、馬はつねに生命の危険に怯えながら暮らしていた。絶望にかられた馬は、強力な味方をさがそうと思いあたった。そこで馬は人間に近づき、狼は人間にとっても同じように敵なのだから、同盟を結ばないかと申しでた。人間はすぐさま承諾し、新たなる友がそのすばらしい脚力を人間の望むがままに使わせてくれるなら、ただちに狼を殺してやろうと約束した。馬は喜んで轡や鞍をつけることを許した。人間は馬にまたがり、狼を狩って殺した。馬は安堵と歓喜にあふれ、人間に感謝して言った。『わたしたちの敵は死んだ。さあ、この轡と鞍をはずし、わたしを自由にしてくれ。』すると人間は大声で笑った。『何を言っているのだ、愚かな馬め、さあ走れ!』そして思いきり拍車をあてた。」」 p207 「「最後まで。”直接行動”の男だったな。これが最後の切り札というわけか!」」 p211 「「八十年前に設立されたもうひとつのファウンデーション──銀河系の向こう端、“星界の果て”のファウンデーションのことを、けっして忘れぬように。彼らの存在をつねに考慮にいれておくのだよ。諸君、きみたちの前には九百二十年にわたる〈プラン〉が待ち構えている。問題を解くのはきみたちだ!さあ、はじめたまえ!」」 p239 「「おまえが三十日という海化期間を提案したのは、おそらく、何かもう少し重要なものに関心をむけさせるための時間を稼ぎたかったからであろう。だがあの黄金が不純であると判明したら、どうするつもりなのだ。」ポニェッツはあえて不機嫌そうに答えた。「その判定をくだすのは、黄金が純粋であることをもっとも願っている人たちではありませんか。」」 p278 「「同胞なる者を邪悪と死の中に見捨てる裏切り者よ、呪われてあれ。弱き者の懇願を聞かぬ耳よ、ふたがれよ。罪なき者を見ぬ目よ、盲いよ。闇とまじわる魂よ、永遠に闇に沈め──。」」 p284 「「きみたちはつねに理不尽ではないか。わたしはわが国の経済に可能なかぎり、あらゆる貿易を歓迎している。だがきみたちのやり方はどうだ。わたしはひとりでこの国を支配しているわけではない。」声が高くなる。「世論の僕にすぎぬのだ。わが民は緋と黄金の輝きを帯びた交易を受け入れはせん。」」 p285 「「まことか。」コムドーは鼻を鳴らした。「だが富があったとてなんになろう。其の財産は民の愛だ。わたしはすでにそれを手にしている。」「どちらも手にすればよいではありませんか。片手で黄金を集め、もう一方の手で愛を得ることも不可能ではありません。」」 p304 「「思い出はふいによみがえって痛みをもたらすのだよ。まあ、聞きなさい!そして自分で判断するがいい!シウェナがこの星郡の都であったころ、わたしは名門貴族で、星都の元老院議員だった。古く栄誉ある家柄なのだよ。わたしの曾祖父は──。いやいや、やめくおこう。過去の栄光を反芻しても虚しいばかりだ。」」 p312 「五分後、マロウはその家を去った。だが永遠に立ち去る前に、ほんの一瞬、一度だけ、老貴族の家にもぐったのだった。翌早朝、ささやかな庭に出たオナム・バーは、足もとに小さな箱を見つけた。中には食料がはいっていた。宇宙船内で使う濃縮食料で、味も調理方法も異質だった。しかしながら、それは美味で、長持ちした。」 p321 「「おやおや。いったいいつから、偏見が差別意識を捨てて法に従うようになったのだね。」」 p325 「「おれは法律は遵守するが、慣習は気にしない。」「慣習が法より重視されることもある。」「だったら法廷に訴えればいい。」」 p330 「「どんなものであれ、主として信仰や感情に基づいた教義は、他人にむけて使用すると、危険な武器になる。その武器が逆転し、使用者にむけて使われないという保証はないからね。」」 p362 「「未来なんか知るもんか。きっとセルダンがそれも予見して、準備をしているだろうさ。いま宗教の力が衰えたように、金だっていつか効力を失う。そのときつぎの危機が訪れる。今日おれがひとつの危機を解決したように、新しい問題の解決は後継者たちにまかせてやるよ。」」
  • さよ
    さよ
    @syk
    2026年9月7日
  • 猯
    猯
    @647k38
    2026年7月23日
    ファウンデーションシリーズ、新訳出てたん!?!?!! 知らん知らんなんで見逃してたんだ、読み直したい 戦争前期の歴史が大動する予感のある、この 時代のこの年齢の今、読みたい 楽しめるのか、そうでないのか、試したい! ミュールはわりと好きだった 動物のロバが好きなので🫏 『理系の読み方』って本に載ってて知った 作中の心理歴史学っていまの社会物理学みたいだよね〜って記述があって、そっちも初めて知った 「社会物理学」ってのがあるんだ…
  • zeze56
    zeze56
    @zeze56
    2026年4月12日
    面白ーい 心理歴史学とかどうやって考えたんや 最高 是非読んでほしい
  • Aulu
    Aulu
    @aulu_0920
    2025年12月31日
  • 廿X
    廿X
    @Robin626
    1900年1月1日
    面白すぎ。この設定思いつくのやべえわ。
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