天―天和通りの快男児 (16)

3件の記録
Lusna@Estrella2026年6月4日読み終わった「赤木…… その「魂」…「意識」みたいなものは…あるのかな…?」 「ククク…まるでねぇとは 言い切れねえん じゃねえか… 俺たちが 元々… 無生物だったことを 考えれば…」 「無生物…?」 「そうさ… 人はみな… 昔 砂つぶ… 海に溶けた塵だの 砂利だのの 淀みたいな ものだったんだろ そこから 原始的な生命が 生まれ… 進化に 進化を 重ね…人間に なった… だと すれば つまり… 無生物の中に 生き物の素 種があった ってことに なる その種って のは… なんて いうか まあ「乱暴」に 言っちまえば ある「意志」… ある「意志」のようなもの だったんじゃないか… つまり 無生物の中にある…生命になろう…って 気持ちとでも いうか… その 気持ちが あったから 無生物は 生き物に 変わりえた その 方向性が なかったら 淀みは 永遠に 淀みのままさ… あるいは こんな風に 考えたりもする 要するに 砂や石や水… 通常 俺たちが 生命ではないと 思っているものも… 永遠と 言っていい 長い サイクルの中で 変化し続けていて それは イコール 俺たちの 計りを 超えた… 生命なんじゃないか……と……! 死ぬことは…その命に 戻ることだ…!」 「……消滅しねえのか?……」 「ククク… 消滅 しようが ねえのさ すでに 今ある ものは 存在し続ける… 形を 変えてな… そういう意味じゃ… まぁ…不死だわな……」 「うう… うっ…!……そんな話を もっと してくれ…もっと……! この間…再発して…2年 なんとも なかったんだが… この間…ついに 転移した 今度は リンパに もう 手術は 効かない… 化学治療も 効果は 期待薄…! わしは…癌で…… 赤木っ!……怖いんだ……これで 終わりかと 思うと…もうすぐ……死んじまう かと 思うと…! わしは…」 「銀次…大丈夫…おっかなく なんか ねぇんだよ……!」 「赤木…」 「俺が…俺が先に 死んでやる……! 綺麗に 死んでやるから……! 安心しろっ………! だから…受け入れてやれ 死を……! 出来る限り…温かく……! 迎え入れてやれ…! 俺の 感触じゃ 死ってヤツは…そう 悪いヤツ じゃない 出来るさ… お前にも 出来る 俺が 見てきた 限りじゃ あったかい人間は あったかく 死んでいけるんだ おっかなくなんか ねえんだよ…銀次……」 福本伸行『天 16』 ここのくだりが刺さる。





