不在、絶望、希望…人間の脆さと儚さと強さ。最後にまた1番最初の話に戻り読む爽快さ。最後まで読んで深く理解したタイトルの強さと素敵さ。美しくて静かで寂しくてでも温かい。構成も映像が浮かぶような空気感もどストライクだった。好き。表紙絵も好き。

夫婦とは、一緒に希望を分かち合う関係性よりも、絶望し合える関係性の方が大事なのかもしれない。愛した人の『不在』を感じながら生活をするということの中に含まれる、情緒的な感情たちに関しては、ある意味では純度そのものの質は高いのかもしれない。私も、一緒に絶望し合える人と出会えたら、人生の強度は高まりそうだなあ。

いつだって人生は、そこまでメランコリックでもドラマティックでもエキセントリックでもない。なにがあっても、わりと淡々と日々は進んでいく。 恋なんて感情はね、ほとんどが気のせいだよ 運命はいつだって真正面からやってくるんだから