小川さゆり、宗教2世

3件の記録
- さーちゃん@cong_mei2025年9月11日読み終わった本屋さんにずらっと並んでいる時期は手が伸びなかったのだけれど、今回図書館で見かけた時、読んでみたいという思いにとらわれた。 それは、先日「共感と距離感の練習」(小沼理)で読んだ、「今起きていることを見てみぬふりをすることで、私たちは人間性(ヒューマニティ)を自ら手放している。」(p132)という言葉に影響を受けているのだと思う。 読んでみて2つ感じたことがある。 1つ目は、宗教に"ハマる"ことは、誰にでもあり得るということ。何かうまくいかなかった時、誰かに頼りたい時、宗教を選ぶこと自体は一つの手段だ。そこに良い悪いはない。 でもそれは、宗教を自分が選んだこと、そして自分の中で信仰が完結している(物理的にも精神的にも経済的にも、周囲に迷惑をかけない)ことが前提にある。 2つ目に感じたのは、"宗教2世"という、選択肢を持っていない子どもたちにとっては、宗教が地獄になり得るということ。 「宗教が地獄になる」という言い方が用法的に正しい言い方なのかはわからない(私は特定の宗教を持たないから)。ただ私が言いたいのは、「信じる心」を押し付けられることは、想像を絶する苦痛があるのだということ。筆者が信仰心に違和感を持ち始め、体調を崩して精神的に追い詰められていく様子は、読んでいて本当に怖かった。 そういう子どもと出会った時、もしくは宗教じゃなくても、何か特定のものに心が完全に囚われてしまっている人に出会った時、どうすればいいんだろう。何ができるんだろう。 少なくとも、今回1人の宗教2世の半生を知った。知らなかった時よりは考えられる。