追想五断章
71件の記録
人工芝@_k55y2026年7月10日読み終わった過去とは決して終わった時間ではなく、今を生きる人間の中で形を変えながら息づき続けるものなのだと、静かに語りかけてくる作品だった。 物語は淡々と進んでいくが、その静けさの中には人が誰かを想う気持ちや、記憶が抱える曖昧さ、 そして言葉にされなかった感情が幾重にも折り重なっている。 一つひとつの出来事は控えめでありながら、読み進めるほどに少しずつ輪郭を帯び、最後にはまるで散らばっていた欠片が自然と一枚の絵になるような心地よさがあった。 米澤穂信の文章は必要以上に感情を煽らない。 それゆえに、読者自身が行間を歩き、登場人物の沈黙や視線の先にある想いを受け止める余白がある。 その余白こそが、この作品の豊かさなのだと思う。 過去を知ることは真実を暴くことではなく、誰かの人生にそっと触れることなのだと気づかされる。 ミステリーでありながら、人の記憶や愛情の儚さを丁寧にすくい上げた、品のある一冊だった。




いささか@ryuha122026年6月19日読み終わったすごく良かった。 調べたら大好きな『儚い羊たちの祝宴』と出版された時期が近いらしい。 私はどうもこの時代の米澤穂信氏の作品にめっぽう弱いらしいです。 文章が美しい、何が他の作品と違うんだろう。


- 本とコーヒー@mystery_1ike2026年6月9日読み終わった本棚本の再読。故人が書いた五つの断章探しを頼まれた主人公。探していくうち、読んでいくうちに故人の過去と断章の真実が明らかに……こんなの面白いに決まってる。そして面白かった。何者でもない主人公がこれだけはと思うラストが良かった。と、ともに、この構成がハイレベルで成立していることに敬礼。すごすぎる。



青山@aoyama9122026年3月19日読み終わった再読面白かった平成5年。大学休学中の主人公が、居候先の古書店に来た女性から、亡くなった父親の書いた5つの物語を探してほしいと依頼をされて調査を請け負う。 5つの物語は、結末のないリドルストーリー。 やがてその5つの物語と、女性の持つリドルストーリーの結末が、女性の父親が容疑者とされた事件と関わりがあることがわかり…という話。 とても好きな本で、読む用と保存用と電子版を所持しているほど。なんとなくまた読みたくなって再読した。 何度読んでも面白く、それでいて苦みが残る読後。 ※作中に出てくる雑誌『深層』は、同作者の『王とサーカス』でも登場 なお、作中事件「アントワープの銃声」は、とある実際の事件を彷彿とさせるらしい。 そのあたりのことが解説に書いてあるので、元になった事件を知らない世代の私からすると、電子版で解説をカットしないでほしいと思ってしまう。
プカオ@panshg_01182025年8月21日読み終わった感想紹介一章一章読み終えた後、どこかじめじめとした余韻に本を読み返しながら浸っていたいと思った。 死んだ父親が書いた五つの結末の無い物語、リドルストーリーを探して欲しいという依頼を受けた主人公は調査を進めるうちに故人がある未解決事件の容疑者だったことがわかり... リドルストーリーの結末は用意されているのだが、リドルストーリーの後に本編に一旦戻り、その章のラストにやっと結末の一文がくるという構成が自分にとっては斬新で面白かった。一度入った物語への熱を一旦冷まし、再度火をつけて没頭させる構成は本編とリドルストーリー両方の面白さがあって成り立つものだとも感じた。読み終わり、真実が判明した今の状態で、本書のリドルストーリーをもう一度読み返し、この小説をまだ楽しみたいと思う。

roiban@roiban2025年7月5日読み終わった「〜の季節」シリーズ読んだついでに…くらいの気持ちで読み始めたのだがとても良かった…。/バブル崩壊直後の不景気の最中、伯父が営む古書店で働く菅生芳光のもとに、亡くなった父親の書いた五作の短編小説を探しているという奇妙な客が現れる。最初に発見できた一篇の掲載された同人誌の書誌などのかすかな手がかりから探索を続けるうちに、「五断章」が書かれた背景が浮かび上がり…。/なんと作中作が五つも読める。そのどれもが紀行文風の結末不明の「リドル・ストーリー」。なぜ北里可南子は父親の遺作を探しているのか、なぜそれらは書かれたのか、序章の「わたしの夢」は一体何なのか、という複数の謎が、散逸した五篇の探索と絡んで徐々に解かれていく。学費を払えず休学中の語り手が、悲劇的な個人の過去に踏み込んでいきつつ、そこに「物語」があることを羨む自分自身を見つめる場面が痛々しい。時代の暗鬱さを漂わせつつ、謎解きを楽しめる素晴らしい作品だった。

SU@real_ding_012025年5月6日読み終わったまずはじめに、"ミドルストーリー"というジャンルを教えてくださり感謝します。全てにおいて白黒ハッキリ付けたがる自分にとって結末が不明な作品は苦手なはずですが、この作品では結末が2つの選択肢で決まるはず❔だからかどっちに転んでも納得できるようでもやることなく読み終えました。 パズルゲームのように散りばめられた過去の断片を拾い集めて物語を完成させていく。ただあくまでも読者が作成した完成形であり作者の意図しているものではないかもしれない。そもそもその意図が存在しているのだろうか。
なみきみち88@namikimichi882023年11月28日買った読み終わった物語を集め古い事件の真相に迫る度に、ゆっくりと締め付けてくるような不穏な空気を感じる。結末を知ってもなお、それぞれの思惑は当の本人しかわからない。解説に挙げられた事件を知らない世代でも、類似の出来事は常にあるように思われた。良い苦味でありました。
まい@mai6011262021年5月16日読み終わった仕事を始めてからというもの、なかなか読書に気が回らなかったけどやっと最後まで読めた。やはりノってくるとサラサラと読めますな! ミステリー大好きミステリー最高!












































