うたげと孤心 (岩波文庫)

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- ザムザ@zamzy7332025年3月30日読み終わった@ 自宅平安期の消息について、随所に教わるところの大きかった読書。 和歌が功利価値的な意味において最高善の位置にあったこととか、 比叡山の天台宗と親しんでいたとか、 京の都の貴族の界隈という限られた世界におけるコモンセンスを定める和歌の評定者の高い地位や、 その狭さへの視角だとか、 中国由来の文学の影響によって高められた自然愛の感受性だとか、 自然詠ばかりではなく色恋詠を求道したところに日本の歌道が拓けたこととか、 いろいろ興味深く読んだ。