世界をまどわせた地図
9件の記録
えい@shibamoti2026年8月16日読み終わった画集・写真集資料系@ 自宅実際に地図として描かれた、実在しない場所や地形や生物のエピソード、そしてその地図自体を集めたフルカラーの本。ナショナルジオグラフィック。 アトランティスやムー大陸などの有名な場所から、なんと2000年代に至るまで地図(グーグルマップに!)に載っていた存在しない島まで、「幻」の存在の形は多岐に渡る。 絵巻物みたいな装画のとても立派な地図に載っている場所なのだから、もちろんその場所は当然存在するのだと思いがちだ。 書店で手に取ったり、もっと昔書物が限られた人しか見られない時代であれば、きっと疑うという発想がそもそも浮かばなかっただろう。 しかし地図を書く側や国家の都合、観測者・探索者たちの勘違い、そして意図的な嘘によって、地図というのは実に簡単に姿を変える。 古代の遠い土地の伝説、中世の宗教に密着した冒険に連なるもの、大航海時代の浪漫と悲劇、近代の探検における発見と偽装。 種々のエピソードが興味深かった。血なまぐさいものも、愉快でないものも含めて、地図が刻んできたのは人間の歴史の積み重ねだなと感じる。


高卒派遣社員@hidari_s2025年4月3日読み終わった古書店の息子として生まれた古地図の愛好家が手がけた一冊。 ヨーロッパ諸国が世界に向かって航海を続ける中で、"発見"したとされる国、島、都市、大陸などが地図に書き込まれる。それらの"発見"は当時知られていた世界を大きく拡大し、未開の地のさらにその先への想像力を掻き立ててきた。 一方で地図に書き込まれてきたものの中には、伝説、伝承、誤解、でっちあげられたものも少なくなかったという。そこには人々の信じたいという願いや、一儲けしてやろうという欲望が透けて見える。 中世から19世紀にかけての冒険家や地図製作者が世界をどのように捉えていたのか。130点以上の美しい地図の図録を交えながら、いかに人々が惑わされてきたのかを知ることができる。 現代の視点から見れば荒唐無稽な地図のオンパレードなのだが、地球平面説を紹介したページを眺めていて、これは他人事ではないと背筋が伸びた。そもそも地図が間違っているなら、どれだけ世界を正しく捉えようと努力したところで迷走するしかないのだ。陰謀論で分断される2020年代に重要な教訓を与えていると思った。 一枚の間違った古地図から学べることはあまりにも多い。
























