村上春樹で出会うこころ

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- muma@casa_muma2026年5月1日読み終わった村上春樹で出会うこころ は、村上春樹の短編のいくつかを精神分析的に紐解いた考察みたいなもの。「パン屋再襲撃」「偶然の旅人」などが臨床心理学における出会いの構造として解体されていくのを見るのは興味深い。人と人とが真に出会うには、2人が平行に対面しているかどうかではなく、第三者的な何か(パン屋再襲撃で主人公の男がボートの上から見ている海底火山のような無意識下もの)を互いが知覚することを通じてこころがつながること、つまり、「垂直方向で出会う」ことが重要ということが書いてある。面白い。対面でアドバイスをもらうより、本を読む方が孤独が和らぐのは、垂直方向で誰かと出会っているからなのだと思い至る。私たちが忘れている何かを思い出す感覚。それなのに表面的に村上春樹を批判する人の多いことよ。沈黙の螺旋。 村上春樹の奥さんは河合隼雄先生のファンで、村上さんと河合先生がボストン(だったかな?)の同じ大学に在籍していた頃、「河合先生の本は読まなくてもいいけど会っておいた方がいい」と奥さんに勧められたのをきっかけに交流が始まった、と別のエッセイかなにかで読んだ。村上さん自身は河合先生の著書をはじめ、精神分析的な本は読まなかったそうだ。そういうのを読まずに無意識に訴える作品を書けるのはすごい。



