帰還
4件の記録
さぶりす@saburisuuuuuuuu2026年8月6日読み終わったゲド戦記の4作目。長らく3作で完結したものと思われていたが長い期間を空けて4作目が発表されたらしい。そんなこともあってか、3作とは雰囲気が異なる。 世界は均衡を取り戻したが、人々が生きる現実は目を背けたくなるような理不尽が存在するし、過去の傷が癒されるわけではない。全体として上手く回っていたとしても、そこから零れ落ちるものが必ずあるのが現実だ。 前作と違って広い世界や、不気味な地下迷宮は登場せず、テナーの生活圏と、その周囲で起こる現実的なことが語られる。それは壮大なファンタジーのスケールではなく、現実世界の私達のスケールにより近い。だからこそ、地に足のついた生活もしっかりと描かれるし、身近に潜む不条理もより近い距離で、生々しく描かれる。 そんな中で、酷い虐待を受けたテナーを引き取り、その世話をし暖かく見守る。テナーの眼差しは、テルーを見ているようで、過去の自分を見ているようでもある。癒されたいは癒したいであり、救いたいは救われたいである。そんなことを考えてしまう。最後はひとまずの危機を乗り越え、平穏を感じる静かな終わり方だが、その平穏でさえも、天地創造の歌にある、境界線も曖昧な、永遠に寄せては返す波のひとつなのだろう。テナーもゲドもテルーも、私自身も、今まさに戸口から、入りては戻りを繰り返す存在なのだろう。その永遠の先に、きらりと光る泡がもしかしたら生まれるかもしれない。それがやがて新しい大地となるのかもしれない。そうであって欲しい。そんな作者の叫びと願いのように感じた。
安野ニツカ@nienoedda2025年6月29日読了再読こんなに集中して本を読んだの、いつぶりかしら。今日読み始めたのよ。そうなのよ…右手に過去が降り積もって重くなり、左手の未来が軽い。なんてつらい物語なの。全然理解できてなかった。これは男という性別と、女という性別にこんなに…こんなにフォーカスした本だったのね。 普段は男女二元論とか、男の役割、女の役割なんてホットケーキなんですが、そしてルグウィン自身も先進的な考え方をなさっていたと記憶しているのですが(逆だったらごめん)、うわー…これは…いま、読んでよかった… 読み終えてしまった…おもしろかった…おもしろかった…(呆然 男女二元論ではあるけれど、フェミニズムとしてはかなり時代に先行していたのでは…すごいね…あの、感想書けるほど読み込んでないし5巻を読みたいからまた宿題として未来の私に託すんだけど、すごいね。大好きだ…かっこよ… あと農婦という、専業主婦の何者でもない自分と重なる女性(言うてもテナーだけど)が主人公であるというのも新鮮すぎた。昔読んだのはなんだったんだ。全然ピンときてなかったな。おもしろかったなあ…
