全ての装備を知恵に置き換えること
4件の記録
まいける@bluesky421952025年10月15日読み終わった感想石川直樹過保護な日本の社会に、また科学技術に頼り切った現在の世界に最も欠けていることは「全ての装備を知恵に置き換えること」 石川直樹さんが命の危機に瀕した時、「一種の快感ともいうべき電流が身体を駆け抜ける」という。未知に憧れ、旅をすることが楽しいから旅を続ける。8000メートルの山も、ユーコン川も、白夜の南極も彼のフィールドであり、知恵をフルに働かせ楽しむ場所なのだ。彼は孤高の挑戦者というより、人とのつながり、自然とのつながりを大切にする旅人なのだ。 北極でシロクマと対峙した時の緊張感が伝わってくる。恐れよりも「畏れ」を感じ、敵だとも思えない親近感すら覚えたという。 トイレの話も面白い。海、山、極地、アジアの国々。異郷の地が現実の世界へと変化する瞬間だという。マイナス40度の中でホッキョククマを警戒しながらの排泄は、安息の時間ではないに違いない。 アフガニスタンへの旅も印象深い。 「仏教破壊とテロ事件によって世界がこの国を見捨てようとも、人々の営みは確実にそこにある。」 無数の星空を見上げながら、太古から続く悠久の時に身を委ねている石川直樹さんが目に浮かぶようだ。




ほやぼ@-oka192025年4月26日読み終わった@ MINUTES COFFEE「川」「小さな世界」が特に良くて泣きそうになった。 星野道夫然り、ほんとうに目で見て触れてその地を歩いた人でなければ書けない文章の美しさを感じる。 「なめらかで優しい海」「湿気に満ちた色っぽい森」「夜空がミルク色に発光している」 見たことのない私からは到底出てこない表現ばかりでうっとりする。

