両面宿儺の謎 桜咲准教授の災害伝承講義 (宝島社文庫)

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- 月代@tsukishiro2025年9月17日読み終わった感想紹介Kindle Unlimitedkindlle意外に面白かった。っていうかこの教授の「妖怪防災学」講義受けたい。 民俗学って、単に様々な地域の伝承を調べて集めて残すみたいな認識だったけど、それが災害伝承として語り継がれてきたものとして防災に繋がるの興味深かった。土地の鑑定にも関わることから、民俗学が不動産鑑定士にも役立つのも新しい発見だった。 特に人柱伝説と治水技術の関連、あとあの歴史上人物の出生の解釈は、思わず驚いてしまうほど。戦国武将って戦うだけじゃなくて、頭脳労働も求められるんやな。 最初は主人公が教授に対して、盗用の証拠を差し押さえてやる!って意気込んでたけど、こういう落とし所になったか。姉が良い味してる。いつの時代も、弟は姉には逆らえないものだ。 民俗学×大学教授×アルバイト主人公だと、「准教授高槻彰良の推察」と被るけど、同じ民俗学をテーマにしつつ、こっちは別に事件が起きてるわけでもないので歴史を紐解いていく感じ。読んでいくうちに、歴史だけじゃなく地理、数学、化学、生物、物理、地学必要じゃんって思った。 ミステリーではないし、こじつけに近いと言われるだろうけど、それもまた醍醐味かな。全て諸説ありますで終わる。学術的考察までは深掘りせず、ふんわりこんな視点もあるんだなで読んでいくと良いと思います。