わたしの外国語漂流記

3件の記録
- dekaiutsuwa@dekai_utsuwa2025年9月19日読み終わったアンドレ・ジッドの言葉「書を捨てよ、町に出よう」が、読みながら頭の中で踊った。好奇心と暮らしの先にある、未知なる言語を学ぶ楽しさ(時に苦しみ)がこれでもかと詰まった贅沢な本。 ◇ バリトンボイスに心臓を持ってゆかれた俳優に、いつか彼の母語で挨拶したいとウェールズ語。NZのフードトラックで出会った、スブラキを現地で注文してみたくてギリシャ語(よく読まずに履修したら古典ギリシャ語だった)。彼女/彼の物語を足下の文化ごと知りたくなって、韓国語。 文法に苦戦しても発音に自信がなくても、好きなもののためならどこまでも進める気がした。母語から離れて言葉を学ぶ時、私の心は歩き続けている。ごうごうと内側から湧きあがる、学びたい衝動を思い出した。
- 句読点@books_qutoten2025年9月13日読み終わった面白くて一気に読了。中学生くらいの時に読んでたらもっと英語の勉強が楽しくなってたかもしれない。 さまざまな外国語をさまざまな経緯で学習した25人の人たちの外国語学習奮闘記。 聞いたこともないような言語から、身近な英語や、奄美の方言調査の研究者の話も。 言葉の習得は、他者のことを知りたい、他者に対して何かを伝えたい、と思うところから始まる。その一番根本の動機がなければどんな言葉も学べるものではない。 また言葉はたんに言葉だけで独立しているのではなく、その言葉が使われる社会の文化、歴史、風習、伝統、生活環境などさまざまな背景を背負っている。外国語を学ぶことはそれらも言葉を通して学ぶこと。それらとセットになってはじめて言葉が生き生きと動き出す。 母語以外の言葉を取り入れることは、自分の中に異なる身体感覚をもたらすことにもなる。言葉によって思考回路のパターン、どのように世界を捉えるかが変わるから自ずと自我も変わる。 言葉はまずなによりも声、リズム、目の前の相手との生きたやりとりの中にある。それを学ぶためには全身で取っ組み合わなければならない。 だんだん自分自身が変わっていくことでもある。 外国語に限らず、どんどん変容していくために色々勉強したくなる一冊。学ぶことはより自由になること。