時間は存在しない

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- 森@mori162025年5月21日読み終わった心に残る一節難しくて分からないけど面白い。 自分のまわりで経過する時間の速度は、自分がどこにいるのか、どのような速さで動いているのかによって変わってくる。時間は、質量に近いほうが(第一章)、そして速く動いたほうが(第三章)遅くなる。二つの出来事をつなぐ時間は一つでなく、さまざまであり得る。 P190 時間の流れは山では速く、低地では遅い。低地の方が時計の針の動く回数が少なく、植物の成長も歳のとり方も遅い。 宇宙全体に共通な「今」は存在しない(第三章)。すべての出来事が過去、現在、未来と順序づけられているわけではなく、「部分的に」順序づけられているにすぎない。わたしたちの近くには「今」があるが、遠くの銀河に「今」は存在しない。「今」は大域的な現象ではなく、局所的なものなのだ。 P190 地球上でしか時間の概念は使えない。4光年離れた惑星にいる人に今何をしてるかと望遠鏡でのぞこうとも、地球で見えたその姿は4年前してたこと。 一つの対象がある場所に現れてからすぐに別の場所に現れると、この二つは個別に脳に向かうばらばらな信号ではなく、何か動いているものを見ているという事実によって結びつけられた一つの信号になる。いいかえると、わたしたちが知覚しているのは現在ではなく(有限時間の規模で機能する装置にとって、現在は意味をなさない)、時間のなかで生じ、伸びていくものなのだ。時間のなかでの進展が脳の内部で凝縮され、継続として認識される。 P176 記憶と想定で成り立つ意識。常に見ているのは現在の一瞬だけ、過去と未来は存在しない。人間の神経構造上、過去の痕跡とつなげ時間の経過を認識する。