産声が消えていく

産声が消えていく
産声が消えていく
太田靖之
祥伝社
2010年3月1日
2件の記録
  • 来る者を拒まない〇〇会病院の産科医の物語。 歴戦の先輩達が燃え尽き、心を病み、前線から撤退していく。助産師、看護師達も離れていく。そして自らもまた…。 産科医療のリアルを描いた書。彼らの過酷な、理不尽な労働環境を思うと暗澹たる思いになる。利益を求める経営陣や狂った司法、患者のいきすぎた権利意識が更に追い打ちをかける。 出生数が減ってることや、産科志望の医者数がやや持ち直していることや、働き方改革などで今は幾分マシと聞いてはいるが。 この本が出版された2008年、100万人を超えていた出生数は今年、65万人程度と過去最低になることが予想されている。
  • 産婦人科の過重労働に対してメスを切り込んだ一冊だった。作中に出てきた「歴戦の臆病者がいても歴戦の勇者はいない」という文章が強く印象に残った。主人公は自分のことを激戦地に飛び込む馬鹿者だと評したが、私からしたら彼は歴戦の勇者そのものにしか見えなかった。
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