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月下の医師
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@rinrin-1102
  • 2025年10月9日
    産声が消えていく
    来る者を拒まない〇〇会病院の産科医の物語。 歴戦の先輩達が燃え尽き、心を病み、前線から撤退していく。助産師、看護師達も離れていく。そして自らもまた…。 産科医療のリアルを描いた書。彼らの過酷な、理不尽な労働環境を思うと暗澹たる思いになる。利益を求める経営陣や狂った司法、患者のいきすぎた権利意識が更に追い打ちをかける。 出生数が減ってることや、産科志望の医者数がやや持ち直していることや、働き方改革などで今は幾分マシと聞いてはいるが。 この本が出版された2008年、100万人を超えていた出生数は今年、65万人程度と過去最低になることが予想されている。
  • 2025年10月5日
    人間腸詰
    人間腸詰
    八編を収録。得意の独白体が冴え渡る。 【人間腸詰】STL万国博覧会に派遣された大工が経験した恐ろしい話。 【木魂】妻と息子を亡くした数学教師の悲しきモノローグ。 【無系統虎列刺】法医学者が語るとある虎列剌(コレラ)騒動。 【近眼芸妓と迷宮事件】刑事が語る印象に残った事件。 【S岬西洋婦人絞殺事件】とある外国人殺人事件を法医学者が解決する。 【髪切虫】自分が二千年前のクレオパトラの生まれ変わりだと直感する髪切虫の話。 【悪魔祈禱書】古本屋の店主が語るとある恐ろしい本。 【戦場】西部戦線に派遣されたドイツ軍軍医が体験した戦争の恐ろしさとは。
  • 2025年10月1日
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    プロジェクト・ヘイル・メアリー 上
    各所で絶賛されてるので読んだ。 出来過ぎなところもあるがまぁ面白い。 人類の命運を託された主人公が「何故か」記憶を失っているという設定が面白い。 現在パートと回想パートが交互に切り替わり、少しずつ記憶を取り戻しながら物語が進む。 翻訳が上手すぎる。
  • 2025年9月27日
    北見隆装幀画集 書物の幻影
    数々の書籍の装幀、挿絵を描いてきた氏の画集。特にミステリー小説とマッチする独特で不思議な画風。これも北見氏の作画だったのか、と思うものも多かった。「ガダラの豚」とか「ハサミ男」の表紙が好き。
  • 2025年9月26日
    医の知の羅針盤
    医の知の羅針盤
    医者の心構え本として名著として名高い。ゴミ医者激増中で医療崩壊へまっしぐらな世の中。志ある全ての医者に読んでほしい本。暇な時、たまにぱらぱら見返すが、その度に学びがある。たぶん、一生俺の本棚にあるだろう。
  • 2025年9月24日
    永遠も半ばを過ぎて
    毎日毎日ひたすら家で独りで写植屋の仕事をしている主人公のもとに、ある日三流詐欺師である高校の同級生が転がり込んでくる。 ヤク中、アル中、詐欺師、ヤクザ、出版・印刷業界など、著者が今まで見てきたものがギュッと詰まったような小説。 タイトルが米津玄師の曲の歌詞に出てくる。 らも氏の、面白くも切ない、どこか退廃的で憂いのある文体はなんなんだろうな。
  • 2025年9月22日
    フェルマーの最終定理
    フェルマーの最終定理
    世紀を超えた謎に挑んだ数々の天才達の物語。 日本人も超重要な要素で絡んでくる。 終盤、致命的なミスを覆せず、敗北宣言する直前に、ふと真実に辿り着く朝の描写が感動的。 こういう未解決問題て進撃の巨人の調査兵団を連想させる。自分が残した一見ちょっとした何かしらの発見や予想が、誰かしらの世紀の発見や解決に繋がるかもしれない。まさに巨人の肩の上に立つ。
  • 2025年9月22日
    瓶詰の地獄
    瓶詰の地獄
    七編を収録。いずれも秀作揃い。 【瓶詰の地獄】遭難した兄弟からの瓶詰の手紙。 【人の顔】風景や模様が人の顔に見える子ども。 【死後の恋】ロシアの浮浪者が語る不思議な物語。 【支那米の袋】袋に入れられ外国に拉致されようとするロシア人美少女。 【鉄鎚】本当の悪魔は誰か? 【一足お先に】肉腫で右足を切断した人の不思議体験。 【冗談に殺す】ヤバい人に触れて、ヤバい自分が目覚める。
  • 2025年9月19日
    邂逅の森
    邂逅の森
    史上初めて山本賞&直木賞をW受賞した伝説的な小説。 大正〜昭和初期にかけて秋田で生きた1人のマタギの半生が緻密で重厚な文章で描かれる。様々な経験や出会いを経て大団円へ。 面白いんだが、登場人物達のこれからの苦難の日々が心配になった。
  • 2025年9月15日
    押絵の奇蹟
    押絵の奇蹟
    3編を収録。 【氷の涯】満州出兵中の一等兵が巻き込まれる陰謀・逃避行。読みづらいが幻想的なラストシーンが印象的。 【押絵の奇蹟】押絵が示すとある男女の不思議な因縁。美しい文章が印象的。遺伝の話や途中の謎理論が挟まるところなど夢野らしい。 【あやかしの鼓】夢野久作大人向け小説デビュー作。呪われた太鼓に翻弄される人々の運命を描く。ダークな雰囲気が良い。
  • 2025年9月10日
    院内感染
    院内感染
    日本のMRSA黎明期、とある大学教授が天下の東大病院で簡単な手術の術後感染でボロボロになって亡くなる。その妻の手記。 「院内感染」という言葉を一般にも広く知らしめ、ダメダメだった日本の感染対策に大きな影響を与えた伝説の書。特に183-186ページにかけて名文すぎる。 ただこの妻も相当ヤバそうな患者家族ではある笑。 まぁ、だいぶマシにはなったけど日本の医者達の感染症の知識や意識は未だに全然駄目なままなのが現実。
  • 2025年9月9日
    生きていくあなたへ
    敬虔なクリスチャンである氏が亡くなる半年前にインタビュー形式で残したお言葉。最初は微妙かと思ったが、読んでいくうち次第に心が洗われる感があって一周して読み返した。背筋が伸びる。
  • 2025年9月7日
    ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒
    日本酒の現状、歴史、用語、分類、豆知識等が端的にまとめてある良書。 ソリッドな文体が好感がもてる。 日本酒好きでよく飲むんだが、ある程度知識があると飲むのも更に面白くなる。 1回読むだけじゃ足りないので何回も読み返したい本。
  • 2025年9月7日
    ライ麦畑でつかまえて
    ライ麦畑でつかまえて
    大人になりきれない17歳のホールデン・コールフィールド少年が高校を放校になり、クリスマスのニューヨークを放浪する数日間の物語。 哀愁ある口語調の文体が唯一無二の存在感を醸し出している。 中高生の時に読めば感動しそうだがくどくどと独白が続き、長いので挫折する人が多そう。 俺も「そういう時期」はあったので共感する部分も色々あったがそうでない人はイライラするだろう。 読む人を相当選ぶ本。
  • 2025年9月5日
    医学の勝利が国家を滅ぼす
    やや尻すぼみ感はあったがまぁ名著。 名著ではあるんだが、仮に医療費の大幅な抑制に成功したとして(まず無理なのだが)、それでこの国に余裕が生まれるといった単純な話ではないということに、かの先生もそろそろ気づかれているだろうか。 あと狂った司法の話題が抜けてて、そこにも切り込んでほしかった。
  • 2025年9月4日
    城砦〈上〉
    城砦〈上〉
    読んだのは竹内道之助氏の翻訳ver. 医学校を卒業したばかりの夢と希望とやる気に溢れた青年医師アンドルー・マンスン。 初めの頃は真摯に患者と向き合い奔走するが、次第に医療の「現実」を知り、暗黒面に落ち始める。 清廉な妻の諫める声も届かず私欲にまみれていく…。果たして彼は暗黒面から生還できるのか。 いつの時代になっても変わらない不変不朽の名作。たまに読み返す。
  • 2025年9月1日
    衆愚の病理
    衆愚の病理
    第一線の現役呼吸器内科医によるユーモアと毒舌に満ちた社会論。 冒頭の[「敗戦処理」はエースの仕事である]など興味深かった。
  • 2025年8月31日
    ドン・キホーテ 前篇1
    ドン・キホーテ 前篇1
    騎士道物語の読みすぎで自らを騎士と思い込み、痩せ馬ロシナンテ、従者サンチョ・パンサと共に世直しの旅に出るドン・キホーテの珍道中。 これは…ある種、奇書といってもいいかもしれない。大作ゆえに挫折する人も多かろう。 しかし特筆すべきは翻訳の格式の高さ、日本語の美しさ。知らない言葉が沢山出てくるので何度も調べた。
  • 2025年8月28日
    ジェノサイド
    ジェノサイド
    ピグミー族の子どもに人類の命運を握る新人類が誕生する。 抹殺の命を受けた傭兵チーム、冴えない科学者の父から謎の遺言を残されたしがない東京の大学院生、人類最高の知能・暴力が結集したホワイトハウス… アフリカ・東京・アメリカと三つの舞台で描かれる大作。 やや作者の思想とラストのご都合主義が引っかかるところもあったがよくこんな話を無から考えて書き切ったな、という感じ。
  • 2025年8月27日
    占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫)
    ミステリーオールタイムベスト上位常連で、著者の華麗すぎるデビュー作。 40年前に起きた未解決猟奇殺人事件の謎に、御手洗潔が挑む。 トリックが有名で、多くの他作品にパクられたりオマージュされたりしている。 これがデビュー作とか凄すぎる。
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