魚神

27件の記録
- 明乃@akeno_yue1y2025年9月2日読み終わった珍しく、人から薦められたものを積読から拾い上げて読んだ。 最初は不思議な世界観に戸惑いもあったが、魅力的な登場人物たちに連れられるようにして頁を捲り、後半はあっという間に読み進めてしまった。スケキヨは勿論、白亜を取り巻く男たちが強く印象に残る。 この一年くらいで、千早茜さんの作品をいくつか読んだけれど、どれも五感を隅々まで研ぎ澄まされるような感覚になる。特に香りの描写は、文字が匂い立つような、そんな気がする。
- 萌@macmac_03152025年8月6日読み終わった千早茜さんの描く物語は、本当に濃ゆい。どっぷり浸かりながら一気に読んでしまった。いつのどこのお話かは分からない、これこそ御伽噺のように感じるけれど、それにしては生々しく、夏の夜に合う一冊という感じ。蓮沼が魅力的だったなあ。
- 梨@peruru12025年8月3日読み終わったこの作品がデビュー作… やはり千早さんは、文才すぎる。 時代背景が故、 「私的に読みづらい可能性あるな」と思っていたけれどアッサリと裏切られた。 どんなものを見てどんな経験をしてどれだけの物事を考え抜いたら、こんな作品をつくりだせるんだろう
- 🔖ぼう|読書記録@book_252025年5月26日読み終わった幻想的で、残酷で、美しくて、目が離せない。 時代も場所もわからないぶん、自分の頭の中での想像が止まらなかった。 ページ数はそんな多くないのに、満足感がすごかったです…
- ワタナベサトシ@mizio_s2025年3月6日かつて読んだ感想幻想譚。時代も場所もはっきりしない孤島の遊廓街。島の住民は眠りの中で夢を見ない。山に棲む獏(ばく)が食べてしまうと考えられている。 拾われて姉弟として育てられる白亜とスケキヨ。別々に売り飛ばされ、同じ島に囚われながら会うことの叶わないふたり。 デンキ(電気)のない島には内外から欲にまみれた客が訪れる。裏世界の元締めが蠢き、本土からの馴染み客が白亜の心を騒がせる。廓の遊女やその側女の童、スケキヨの使いの渡し守。 艶やかな物語だ。デビュー作には作家のすべてが詰まっているとの至言に漏れず、この一作に千早茜世界を彩るたくさんの要素がもう既に出揃っている。 匂い・傷・毒・自死。初潮・月経・経血・破瓜。渇いた性・性愛の超越、恐ろしさと美しさの共存。そして御伽噺。人語を解する巨大な雷魚の伝説譚。小説の中にもうひとつ、神秘的で不思議な物語がたゆたうのが千早茜作品の大きな特徴だ。 ひとりの小説家をデビュー作から刊行順に読み進めるのが好きなので、初めて読んだ千早茜作品が『魚神』だったのは運が良かった。