クジラ捕りが津波に遭ったとき

クジラ捕りが津波に遭ったとき
クジラ捕りが津波に遭ったとき
森田勝昭
名古屋大学出版会
2022年11月14日
3件の記録
  • つたゐ
    つたゐ
    @tutai_k
    2025年6月24日
    『クジラ捕りが津波に遭ったとき 生業の人類学』森田勝昭 名古屋大学出版会 名古屋の丸善で見つけて購入。 『捕鯨』を捕鯨船の内側にいる様々な人から聞き取って描き出した本。タイトルに「津波」の文字があるけど、東日本大震災の津波被害を受けた捕鯨の町鮎川の捕鯨関係者の聞き書きを丁寧にまとめ、津波の被害を受けてもまた「続けていく」「やめない」生業の記録だった。「文化」というよりほんとうに「生業」でこの本では「クジラ」って単なる生物の分類ではないし、捕鯨という漁法でもない、人間や土地や、存在までもを内包する言葉で、そこがすごく良かった。 わたしは「捕鯨」という単語を聞いた時に、ものすごく一方的な眼差ししか持っていなくて、その眼差しというのは「現代的」で「倫理的」に正しいことに多くの場合広い場所で認識されているけど、それは本当にそうなのかな、と思った。 「文化」というプロパガンダでもなく、「野蛮」というレッテルでもない、生身に生きてる人が営む「生業」、コミュニティの基盤としての捕鯨についてもっと考えていけるといいなと思った。
  • つたゐ
    つたゐ
    @tutai_k
    2025年6月23日
    「日本列島で残った小型捕鯨は、地域文化、伝統文化、あるいは食文化という切り口で取り上げられ、議論されることが多い。とりわけ一九八八(昭和六十三)年のモラトリアム実施後は、「クジラは文化」という社会的ディスクール(紋切り型のフレーズ)が出来上がった。 身近にあるメディアを見ると、伝統の日本食文化、古典芸能を支えるクジラ製品、絵画、物語、祭りなど、それは歴史の「深さ」や「華やかさ」に彩られた文化だ。しかし、考えてみればこれらはほとんどが、いわば、「都市の消費者の文化」だと言わざるを得ない。そこには食肉生産者の視点はほとんど含まれていない。戦後の南氷洋や北洋で展開された大型捕鯨を語る場合も、多数の労働者の過酷な生活は背景に後退し、「生産量世界一」など、消費者のナショナリズムを鼓舞する常套句が前面を飾る。」 p127
  • つたゐ
    つたゐ
    @tutai_k
    2025年6月13日
    明日から読み始めたい 最近捕鯨に興味ある。いや、前から興味はあったんだが、また強くなってきたというか
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved