〈マジョリティにとって「政治的に正しい」態度とは、個人を属性で判断しないと同時に、集団としては属性に配慮すること〉 めちゃくちゃ高度なポリコレ対応が必須となっている社会においては、他者とのコミュニケーションから撤退するしかないというのも納得。 リベラルが加速した結果、悪性の細胞のように変異し「キャンセルカルチャー」としてリベラルとも対峙するようになったという皮肉は、こうした問題にただひとつの正解がないことの証左ともいえるのかな。 小山田圭吾、会田誠、J･K•ローリングなどの問題は表面的にしか理解してない人のほうが多いだろうし、特に日本の場合はキャンセルカルチャーの根っこにあるのが無意識や無理解な気がして怖い。 海外文学とか読んでるとけっこう背景に透けて見えるし反映されてるけど日本は政治的な話はあまりしないほうがいいみたいな雰囲気もあるし、こうした世界的な潮流に対しての鈍感さは日本って良くも悪くも島国だなって気がしてしまう。

近年のキャンセルカルチャーやSNSとの付き合い方を求めて購入。まだ読んでる途中だが、筆者の主張に疑問を感じる部分もあるため批判的に読んでいる。社会学はともすれば社会を一面的に捉えてしまう側面もあるため、一読者として取るべきスタンスをしっかりしていないと難しいと感じた。