北條民雄全集 上

3件の記録
noko@nokonoko2025年11月18日読み終わった借りてきた心に残る一節「みんな夢でした。それも、悪い夢ばかりでしたよ。」 と続けていって、かすかな微笑を浮べた。そこへ何時になく、そこへ横わると、長々と足を伸ばして、 「あなたは人を信ずる、ということが出来ますか。わたひはもう誰も信ずることが出来ません。いやほんとうに信じ合うことが出来たとしても、きっと運命はそれを毀してしまいますよ。不敵な運命がねぇ。あなたのお父さんとの場合もそうでした。生涯交わろうと約束したのでしたが、私の方から遂にその誓いを破らねばならなかったのです。わたしは苦しみましたよ。けれどわたしは、俘虜になったり、遂には癩病にまでなってしまったのですからねえ。とうとうわたしはここへ一人きりで隠れてしまったのです。」「間木老人」
つばめ@swallow32025年7月12日読み終わった"しかし僕は今は信念が欲しいのだ。人間を動かすものは思想でも知識でもない、ただ思想や知識が信念と化した時にのみ力を有つ。" 北條民雄の作品を読んでいると、チ。の "芯から湧き出た苦悩は、煮詰められた挫折は、或いは君の絶望は、希望に転化し得るのだ。"を思い出す。









