「知の技法」入門

4件の記録
- 氷うさぎ@yomiyomi2025年7月31日公共性「考えてみると、人間は、本当に深い困難を乗り越えていこうとしたら、別の世界を構想するしかないですよね。」 「僕らがかつて読んだ人文書に感激したのは、その書物を通じて、この世界の「外」がありうる、ということを示された、という実感をもてたからじゃないですか。」 「「フランス革命」というまとまりは、現在何者かとして、この世界に関わろうとしている主体にとってしか、存在しないのです。世界を外から、無関心に眺める者には、「フランス革命」という出来事群は存在しないはずです。要するに、世界に内在し、世界に関わろうとしている者にとってのみ、フランス革命は存在する。人文書は、このような観点、つまり世界に内在しつつ、それに積極的に関わる者の視点から書かれている。」 (大澤真幸)
- 氷うさぎ@yomiyomi2025年7月31日読書論「自分に適性があれば、このくらいの冊数(1,000冊)に恐れることはありません。楽しんで読んでいるうちに、気がつけば、そのくらいとっくに読んでいる、という状況になります。逆に言うと、その冊数に達するのがとても苦痛だ、という時には、そのジャンルに適性がないんですね。」 「本にとって中核的な主張であるというところと、自分にとって重要だというところは、必ずしも一致しないですよね。」 「それは本当に一致しないね。」 「表面の論理とは異なる、表面からわずかちょっと下に隠れているツボの経絡的なネットワークみたいなものを触覚的につかめれば、たくさんノートをとらないでも読んでいけるんじゃないか、と思うんです。」 「一番難しいのは、内容というよりも、その本の著者が何に引っかかって、ものを考え始めているのか、その点にピンとくることですね。」 「わざわざ入門書を書く人というのは、その主題や対象となっている元の著者のどこかに感動しているわけですよね。その感動がうまく伝わると非常にいい入門書になることがある。」 「解説するより「ここがおもしろい」というポイント、そしてその人が感動したことが伝わってくると、「ああ、感動できるものなんだ」という手がかりがつかめる。人の感動を手がかりにして自分も入っていけるということはあると思うな。」 「精読というのは(…)読み終わった時に「その人以上にその人になっているんじゃないか」という気分になるということですよね。」 (第二章より抜粋)