漱石日記

漱石日記
漱石日記
夏目漱石
平岡敏夫
岩波書店
1990年4月16日
4件の記録
  • LUCiA
    LUCiA
    @gogo
    2026年5月28日
    多分もう1年以上前に買って、他の本を読む合間合間に繋ぎとしてちびちび読んでいた。日記文学はこう言うところが良い。 初っ端から「夜、下痢す。」である。ロンドン留学へ船で旅立って2日目、1ページ目から、だ。いきなり面白い。下痢と、食べ物のことと、お金のこと。 ヴィクトリア女王が亡くなった際ちょうどロンドンにいたので、葬式見物に行くが人混みが凄すぎて見えない。ハイドパークの「園内の樹木皆人の実を結ぶ。」ほどで、下宿先の「宿の主人、余を肩車に乗せてくれたり。」に笑える。 修善寺での日記は痛ましい。ついに「吐血五百ガラム」の後、「皆朝までもたぬ者と思う。」と、奥さんが代筆した。ただ、その後回復していくにつれ、また食べ物のこと。 明治天皇に対する不満。天子重体の報により次々と催し事や営業の自粛が相次ぐ。まだ死んでもいないのに、営業が天子の病気に害をなすわけでもないのに、と。 妻への不満。かなり口の悪い書き振り。「ベラ棒め、」おお!江戸っ子の口上だ!「癪に障る」とか、「断じて許さない」とか「糞でも食らえという気で」とか。下女に対する不満とか。現代なら絶対に書けない差別用語とか。 神経質で気が強いのか弱いのか、不平不満に満ちあふれた日記はとても人間みがあって楽しかった。 発表当時は問題もあったようなことが解説に書かれていたが、この日記に登場する人物が全てもうこの世にいない今となっては、1000円札の文豪の普段着の生活が読み取れるのは楽しい時間だった。
  • 木村久佳
    木村久佳
    @kuCCakimura
    2026年5月24日
  • ジクロロ
    ジクロロ
    @jirowcrew
    2026年4月2日
    今でもうちの下女はこのひーひー(という歯を鳴らす音)をやめない。しかも妻君のいない時を択んで最も多くやる。これは妻の命令とも取れるし、また妻がいないから遠慮が要らないという意味にも解せられる。果して前者とすれば妻はけしからん、果して後者とすれば彼ら下女は主人を馬鹿にして妻だけを尊敬している事になる。この外にも自分の不愉快な事を露骨にやる時はきっと妻のいない時を択ぶ。妻はそれで自分の責任を免がれたつもりであろうか、果してそうだとすれば妻ほど浅はかな興のさめた女はない。 (1914年11月9日(月)) 妻との会話における苛立ちから始まるこの日の長い長い日記は、まるでカフカの『判決』の現実路線。 ままならない周縁が、芋蔓式に出てきては絡まりゆく(漱石)にとっての不条理どもが、漱石の神経を障り続けて止まない。 読んでいるこちらもどうにかなりそう。
  • 本田民生
    本田民生
    @civicman
    2026年2月3日
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved