セバスチャン・ナイトの真実の生涯

4件の記録
- りなっこ@rinakko2025年9月19日読み終わった再読。10年ぶり。面白く読んだ。ナボコフの英語での執筆第一作であることが念頭にあって、セバスチャンの言語的苦闘(V曰く“セバスチャンのロシア語は彼にとって英語よりもはるかによい、自然なものだった”)に触れる件などは印象的だった。 異母兄の真実を探し求めるVの書き記す覚束ない探偵ぶりは、セバスチャンの遺した作品の内容に呼応している。愛おしいはずの兄の輪郭は、事実を手繰って追うほどに茫洋とする(彼はもう書物になってしまった…)。