迷路 下 改版

3件の記録
なかむら@duxuni2025年10月9日読み始めた『迷路』も、ついに下巻に突入。上巻の最大の山場はなんといっても(?)「故郷」の章だったけど、そこからもずっと面白い。若い世代の登場人物が全員好き。 主人公の菅野が東京と地元の九州を行ったり来たりする展開がつづく。トスカーノのファシズム本を読みながらだったからか、こうした構成には、日本のファッショ化の過程を描くのに、東京だけを舞台にするのではなくて、地方と中央のあいだの経済的・社会的な相互作用をきちんと描き出せるようにするため、という側面もあるのではないかしら、と気づいた。
まとり@mtr_chan1900年1月1日今だからこそ復刊してもっと広く読まれるべき一冊だと思う。主人公である菅野省三はクレバーな人だけど不器用で頑固でどこまでも善人だった。そんな善人が掠奪に参加し、人を殺さなければならない、リアルな戦争の惨さが描かれていた。とても読み応えのある作品だった。野上弥生子だからこそ描けたのだろう、戦前戦中の上流階級の華やかな生活も興味深く読んだ。物資もあるところにはあったのだと思う。