死んでいる (白水Uブックス 148 海外小説の誘惑)

5件の記録
- ヨネヤマゼン@zen2025年7月26日読んでる死体を虫が発見するとこ素晴らしい 小さな視点 近視的な時間感覚 死と生の近さ 全部映画には映らない グロテスクではない解剖学的な身体 小説にしか描けない領域だ
- ヨネヤマゼン@zen2025年7月23日読んでる心に残る一節仕事の連絡待ちのあいだに三章まで読んだ 主人公が初めからずっと死んでいる 面白い 「二人の肉体は滅びたが、ジョゼフとセリースがそれでも愛情を捧げあっていることは、一見して明らかだった。というのも、男の片手を女の向こう脛に添えたこのカップルは、世界が否定している平和を、一時の優美さを獲得し、殺人を無効にしているように見えたのである」 「時は、光と音に分けられた。稲妻と雷鳴のあいだにはジョゼフとセリースのための安らぎの聖域があり、これが、海岸に横たわる二人の不運な恋人たちの、砂丘での六日間となった」 「われわれの祈りはただ一つ——何者かがやってきて、彼の手を彼女の脚から離してしまいませんように」 著者は神を信じてないだろうが、愛のことを人一倍信じているのだろう 共感する 愛は観測可能で物理的な何かだ
- 雨@___amadare2025年4月13日読み終わった海岸に横たわる撲殺された動物学者夫妻の死体。誰にも発見されない2人の亡骸に海辺の生き物たちが群がる。死とはあくまでの物質の消滅にすぎない。無神論者の作者が見つめる死はどこまでも冷徹、だけど何故か救われた気持ちになる。