西洋の敗北と日本の選択

西洋の敗北と日本の選択
西洋の敗北と日本の選択
エマニュエル・トッド
文藝春秋
2025年9月19日
18件の記録
  • 印象に残ったこと3点 ・活動的国民と無気力国民 「国民」とは、集団的信仰によって「政治的に目覚めた民来」と、その信仰に沿って「民票を導くエリート」のことを指す。ただし、「国民」という集団的倉仰が消滅すれば「国家」もまた消滅すると思ってはいけない。ここで唱えるのは「行動する能力」だけで、「民衆」は残存する。 (中略) 一方、ドイツのケースでは、「国民の理想は蒸発してしまったが、明らかに「何か」が経済的な力を生み出し続けている。こうして私は「国民の完全な消滅」という見方に再考を迫られることになったのである。ここで私は、自覚のある「活動的国民」に対して、自覚はなく、まさに物理学的な意味で惰性のままにある軌道を進んでいくような「無気力国民」を対立させてみた。 (中略) 日本もまた、「直系家族・ゾンビ」の国であり、国家プロジェクトを欠いたまま、完全な形で存続し、ドイツと同様に経済的な強迫観念に取りつかれている。 ・ウェーバーの定義に見出せるのは、典型的な「プロテスタント・ゾンビ」である。もはや宗教の実践はしないが、倫理として、誠実さ、労働、真面目さという価値観を重要視し、人間に与えられた時間は限られているという意識を持つ。 ・高等教育を受けた人々の高額の収入は、弁護士、銀行家、その他多くの見せかけの第三次産業従業者が優れた略奪者として群れを成していることを物語っているのである。これが教育の発展がもたらした究極の悪影響だ。高等教育修了者が急増し、無数の寄生虫が生み出された。フランスの読者がなぜフランスは貧しくなっているのかを知り、不安になりたいのであれば、公務員や移民を非難するのではなく、ビジネススクール、経営学、会計学、セールス学の学生数が一九八〇年の一万六〇〇〇人か、二〇二一年から二〇二二年の間に二三万九〇〇〇人に増加していることに着目するべきだろう。
  • 木漏れ日
    @Art0517
    2026年8月31日
  • Sanae
    Sanae
    @sanaemizushima
    2026年7月18日
    好きで読んでいる本とちょっと趣が違うかもしれないものも読んでおこうと思い借りてきた。 半分反対、半分共感、という感じ。 まず何が反対かと言えば、日本も核を持った方がいいという発言がそこかしこにあるところ。 「日本の核武装は、中長期的に見て中国との信頼構築にもつなが」り、 「日本の対米自立を意味する」(p54) 私が今まで読んできたフランスの学者さんは、本質をつくことを単刀直入に発言する人が多くて、著者もそのひとりで共感したり、なるほどなと思うことが半分くらいあったが、この発言がなんというか、無責任としか思えない。 著者からすれば、私のような核武装など絶対反対の意見はユートピア的考えなのかもしれない。しかしそれだったらなぜ、人間は交渉するための言葉を持ち、連帯したり、お互いを思いやる人間らしさを持ち続けるのか。たった一発で全てを無にするものを発明したにも関わらず。 持っているだけで使わない、ということに何の意味があるのだろうか。そして使わないという保証はあるのだろうか。 「イスラエル人の無意識の深層では、今日、『イスラエル人であること』はもはや『ユダヤ人であること』を意味せず、『アラブ人やイラン人と戦うこと』を意味しているのでしょう。」(p149) ガザのジェノサイドを非難する正統派ユダヤ教徒を見ていると、そうなんだろうなと思う。 政府は壁を作り、隣り合わせに住んでいるパレスチナ人であるにも関わらず、徴兵のあるイスラエル人は彼らのことを悪い人だという情報意外、本当に何も知らない。 「ガザ・キッチン」を開き、イスラエル人の青年は「わあ、すごく似たものを食べている、風景もそっくり」と言っていた。パレスチナ人やイラン人は戦う対象であり、自分たちは戦う人だと教わるんじゃないだろうか。 西洋の敗北というタイトルがついており、欧州の弱点をついた内容が受け入れられず、欧州では出版される機会が少ないと著者は述べていたが、他の要因もあるんじゃないかと思う。 少なくとも被爆国に核武装を勧める意見は、私には受け入れられなかった。
  • かごめ
    かごめ
    @8DH10th
    2026年5月27日
  • 本棚のすきま
    本棚のすきま
    @maa
    2026年4月11日
    読了! 買って3ヶ月くらい積んでたけど、昨今の世界情勢を鑑みて今読まねば!と思い読み始めたら目次に「危険なのはイランより米国とイスラエル」とあってゾクッとしてしまった。 ここに書かれていること全てに賛同は出来ないけど、こういう歴史や世界の捉え方もあるのだと勉強になる。 が、夫がこの本見て「この人ドイツ嫌いで親日家のオッチャンでしょ」と言っててそういう見方もある、、のか(-᷅_-᷄๑)?と、、この本読む限りではどちらかというと欧米嫌いのロシア好きって感じだったけど🤔 国際社会において日本が果たすべき役割はまだまだある、というのは本当にそう思うな、、キリスト教でもイスラム教でもない国として。
  • キリンの恋人
    キリンの恋人
    @sui__
    2026年3月31日
  • kyo
    kyo
    @kyo_20251221
    2026年3月29日
  • こびき
    @kobiki-0904
    2026年3月10日
    内容を理解したい
  • わたしには少し難しい内容だったが、昨今の国際情勢を理解にエッセンスとなることが多数あった。 西洋の敗北も買って積んだままなので、そちらも読んでより理解を深めたい。
  • Misa
    @misa3_141592
    2026年2月24日
  • lemongrab
    lemongrab
    @lemongrab
    2026年2月22日
    エマニュエルトッドって最近よく耳にするから読んでみた 日本、ロシア、イランを持ち上げ、欧州を下げているのが最早違和感だったが、以下のポイントが面白かった ・日本は今では西洋世界に統合されているが、世界史においては西洋に挑戦して成功した最初の非西洋国でBRICSの先駆け ・核シェアリングはナンセンス  ・西洋の敗北は英語訳されていない ・二つの保守、「進歩に対する保守的態度」「退化に対する保守的態度」日本は変わらない、横ばい力が強み ・トッド氏は先祖にレヴィ=ストロース、ドレフュスがいる 確か成田りょうとの対談で、「じゃあどうするべきか?」という問いに対して、僕は批判は得意だが提案は得意じゃないと言ってて、やっぱり学者って批判止まりなのだなと思った。もちろん立派な仕事だとは思うが、頭でっかちに批判ばかりするよりも、自分なりの正義と意図を持って行動する人間の方がよっぽど素晴らしいと思うし、私は後者でありたい。
  • Misa
    @misa3_141592
    2026年2月19日
  • 芳野27
    芳野27
    @yosino27
    2026年1月1日
  • おとわ
    おとわ
    @otty1211
    2025年12月15日
    目からウロコな部分はあったにしても、読めばニュースの諸々腑に落ちるところがありました。 各国本音と建前を使い分けてるけど、建前を見て鵜呑みにしないで本音部分をちゃんと見てごらん、という本だったと思う。 ポーズというか表面上良く見える行為はそこかしこで行われているだけで、じゃあ実態はどうなってるんだ?というところの解説本。 日本がそんなに関わりのない米国・西欧地域の実態が見えてくる。 今の日本へのメッセージにも聞こえる部分があって、私は納得する方だったなあ。 ———————————— 外敵が存在し、戦争が続くかぎりは、自らの社会が抱える真の問題を直視せずに済む トランプ、ヴァンス、マスクが進める”ルサンチマンの政治"は、米国の内部崩壊をさらに加速させるだけでしょう。 「うるさいほどの静けさ」と評されたこの沈黙は、沈黙にこそ意味がある、重みがある、と解釈できる 政治的イデオロギーが宗教の代替物として登場してくる 仕事に忙殺されている政治家たちは必要とされる基本知識をまったく持たずに国際社会の舞台に出ることになる
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