戦争広告代理店

6件の記録
- もぐもぐ羊@sleep_sheep2025年4月24日かつて読んだふと思い出した旧ユーゴスラビア紛争の時に暗躍したPR会社についてのノンフィクション。 旧ユーゴで内戦がはじまっても欧米は関心を示さなかったのはバルカン半島には特に資源がなく軍事力を提供しても利益が得られないという資本主義的理由だった。 その後ボスニアヘルツェゴヴィナの高官がアメリカのPR会社に依頼したことで大きく情勢が動く。 金網越しのボシュニャク人たちの写真が世界に公開されようやくバルカン半島が人道危機的な争いの渦中にあることが知られた。 ちなみにその写真のボシュニャク人たちは金網で閉じ込められているわけではない。 でも特に欧米人にはホロコーストを想起させるのに十分な効果があった。 ボシュニャク人が白人寄りの見た目なこともホロコーストを想起させた一因とのこと。 そこからNATOが動き出すことになり、主にセルビアが攻撃された。 民族対立や宗教対立であるのに善悪で切り分けて外部勢力が武力で解決しようとしたという側面があることをこの本で知った。 何よりも人道的な問題が起きていても利益にならなければ支援をしない欧米の態度には驚いたし、それを覆したのがPR会社が広めた写真だったことと、その刺激で多くの人の関心をひきつけたこと、でもそこに善悪の判断を正しくできる人がいたのかは疑問が残る。 ジェノサイドに関しては当時の指導者たちが国際司法裁判所で裁判を受けたが、他に責任を取るべき人たちがいたのでは?と思っている。 またこの時に「民族浄化(ethnic cleansing)」という言葉が生まれたが、今イスラエルやガザで起きていることもこれと同様ではないか?と思うが世界が見て見ぬふりをしていることが歯がゆい。 被害を受けている側が白人でなくアラブ系だからなのかと思うととても差別主義的であるし、世界は不平等だ。
- にわか読書家@niwakadokushoka2025年4月8日読み終わった@ 自宅インターネット以前より遥か昔から、こういう仕組みなのだな、と。 今さらながら、一般教養として知っておきたい内容だった。