ライプニッツ

ライプニッツ
ライプニッツ
下村寅太郎
みすず書房
2件の記録
  • ライプニッツなる天才哲学者は、余命幾ばくもないスピノザと瞬間的な交流があった。 そして、ドイツ観念論の祖であるカントもライプニッツの著作に感化されている。 スピノザの後にあって、カントの前にある万学に通じた哲学者こそ、ライプニッツだった。 彼の人生は決して不遇を極めていた訳ではないが、生前に出版された本は『弁神論』のみであった。 彼の思想の大部分は千人超を数える文通相手との手紙に残されている。 神の存在が色濃く残っていた時代の思想であり、また、実現こそしなかったが、カトリックとプロテスタントの融和を望む構想を練っていた。 数学者としての功績も多分にあり、それ故、数理哲学や科学史等の著作のある下村寅太郎が題材として選択したものと思われる。 『モナドロジー』についての記述は、手を変え、品を変えと言った具合に様々に説明が為されていて分かり易かった。 『普遍数学』の辺りは正直に言って、よく分からなかった。 西洋哲学史の大局的な流れが理解できていない中で本書を読むことは、自戒を込めて、あまり勧められることではなかった。 大きな流れを理解した上で取り組むべき書物だった。 いつか戻ってきたときに理解できていればいい。
  • 西田幾多郎に師事した1902年生まれの哲学者による著作である。 明治生まれの人の著作には、まず本の題名や項目の名前に逃げがないような印象がある。 内容を構成する文章にしても漢文調だったりして、格調高い感じがする。 下村寅太郎はみすず書房が著作集を刊行するくらいの人で、その著作集を見るに取り上げられた題目は今でも古びることがない。 本作は『ライプニッツ』である。 デカルトよりあとの天才哲学者であり、生涯に書いた文章の多さから、本作の出版当時は全集の編纂は完了していなかった。 現在の日本では、工作社から著作集こそ出ているが、やはり全集は刊行されていないのかもしれない。 下村という日本哲学史に歴然と佇む天才が仰ぎ見る、世界の哲学史に燦然たる輝きを残したライプニッツなる天才。 まだ200ページ余りを残している。 今月中の読了は難しいかもしれないが、読み進めて行く。
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