-ゞ- "まず牛を球とします。" 2026年4月3日

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@bunkobonsuki
2026年4月3日
まず牛を球とします。
本作は短編集である。一編につき10〜40ページ程度の、ごく短い作品群が連なるのだが、どれも現実にある倫理問題を扱っている。  SFという虚構を使って現実を論じるのは難しい。「所詮、ありえない仮定でしょ」と読者に思われる危険があるからだ。倫理を問うためにはあり得そうな話を持ってこないと成立しない。  本作はその難しさを克服している。  どうやって克服したのか?  解説にも書かれているが、作者・柞刈湯葉は「問題を見つけてくるのが上手い」。あり得ない仮定の世界観にふさわしいような、その世界で論じられるような問題提起をする。  その世界観で起こる問題は現実にも一部接続されうるものである。表題作『まず牛を球とします』では、牛が大豆のような扱いを受けているという話が出てくる。バカバカしいと思う反面、生成AIによって子どもがサーモンのことを「刺身として川を流れていると思っていた」話を聞くと、笑えない。  非現実から現実へと繋がる絶妙な問題提起の数々が、この一冊に詰め込まれている。
こいはなだ
こいはなだ
@tokyo1192
牛と球、、、 近鉄バッファローズしか思い浮かばん笑🐮
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