たま子 "生活史の方法" 2026年4月28日

たま子
たま子
@tama_co_co
2026年4月28日
生活史の方法
午前中、打ち合わせを一本といそぎの作業を済ませたあと『生活史の方法』を読み直す。ある縁があり、今日は午後から父に人生の話について聞く日。両親の離婚以来、長期休暇にしか会わない父と一対一で長時間話をする、しかも人生のことについて……ふせんを貼った箇所を読み返しながら、おもったより結構緊張しているな……となり、思いついたときにちょこちょこ書き留めておいた聞きたいことリストをさらに追加していく。直接聞くときには見ない脳のための準備。 わたしたちはどれくらい積極的に受動的になれるか? ー『東京の生活史』岸政彦 岸さんの言葉をお守りみたいにこころのなかで繰り返し、家を出てバス停までの河川敷を歩きながらすでにもうちょっと泣きそうで、というかすこし泣いた。何の涙かはわからない。みゆきちゃん(母)の家を借りて、3時間ほど父の話を聞く。何を話したらいいんや、とはじめこそ戸惑っていたものの、話はじめるとこちらから質問をしなくても滔々と話してくれ、そこにはわたしの知らない阿蘇での父の貧しい幼少期があり、満州で出会い戦後間もない日本を生きた祖父や祖母がいて、生まれてすぐに亡くなった父の兄の存在があり、人生の大きな分岐点となった友人との出会いがあり、京都へ出て日本画家になり、仲間たちと村をつくり、家を持ち、子を持ち、職を失い、家族と離れ、それでも今また絵を描いているひとりの人間の姿があった。聞きながら泣いてしまうかもしれないと思っていたけど、父の語りはおもしろくほとんど笑っているような聞き取りになり、一息ついてから隣の部屋にいたみゆきちゃんも出てきて3人で、人生って何が起きるかわからんよ、と話していた。そうやでわたしなんて3回も死にかけてさ……と突如みゆきちゃんの語りまではじまり、可笑しかった。そのあと姉家族が合流しみんなで焼肉。姉の子たちは今日もかわいい。GWにまた会おうと約束して帰る。誰かのことを知った気になることはできないけど、それでも、ぼんやりとおぼろげだった父の輪郭がすこしくっきりして、まだもっと会えるうちにいろんな話をしたいとおもう。 p77 私はできれば、この世界で、声を残す力を持たない人びとの声を残したいと思います。でも、そういう人びとはおそらく、立派なひと、出世したひと、力を持った人びとよりもはるかに、自分の人生を語ることで、しんどい思いをすることでしょう。ほんとうに私は、どうしたらいいかわかりません。
きん
きん
@paraboots
たま子さんおはようございます。 突然ですが、ぼくは岸さんの言葉や書籍が好きですが、たま子さんのお話を拝読させていただいて、岸さんの言葉のように、そしてぼくの知り合いのライターさんの言葉のように感じて、妙な親近感が勝手に湧き出ています。人が生きるというのは、ただ生きることかもしれませんし、そこにストーリーがあるかないかはわかりませんが、人が生きている生きてきたことで紡ぎ出されるような言葉には力というか滋味深さというか、そういったモノを感じられますね。 読ませていただき感謝してます。
たま子
たま子
@tama_co_co
きんさんこんにちは。わたしも岸さんの言葉や書籍がすきで、読むことで力を得て、自分のなかでどこかずっとひっかかっていた父をまっすぐ見るということを、やっとすることができました。その日に書いた日記を、きんさんのように読んでくださる方がいるということがとても勇気になります。コメントも嬉しいです。いつもありがとうございます!
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