
Sanae
@sanaemizushima
2026年5月21日
返さない借り つながる贈与
岩野卓司
読み終わった
マルセル・モースの「贈与論」にはじまり、行きすぎた資本主義経済を改めて考えさせられる。
シェイクスピアの「ヴェニスの商人」で利子のこと、宮部みゆきの「火車」で消費者金融のこと、当然のこととして受け入れてきたことを見つめ直すきっかけをもらった。
臓器移植、災害ボランティア、私たちの身近にある見返りを求めない贈与、クルミドコーヒーの「健全な負債感」、有形であれ無形であれ、いただいたものを第三者に与えていくという考え方。
「社会で誰かに助けられたら、助けを必要としている人を助けることで、『借り』を『返す』のだ”(p171)
わかっちゃいるけど、それができている気が個人的にしないし、利用されている感、吸い取られている感は心当たりがあるものの、気前よく分け与えている感じがしない。
「どの世代の人も前の世代から多くのものを受け取っている。それに新たな何かを書き加えて、次の世代に引き渡すのである。」(p172)
これはチョン・セランの「フィフティ・ピープル」にもあったな。
前の人がボールを遠くまで投げて、私たちがまたそれを遠くまで投げ、その次の人もまた遠くまで投げて、そうやってちょっとずつ進んでいく、というようなことが書かれていた。
「今求められているのは、国家や資本主義を破壊し瓦解させるという発想ではない。国家や資本主義の体制の中でも、それらに依存しないで、自分たちでお互いに解決していけるものがある。」(p218)
それが相互扶助のアナキズム、という説明には腑に落ちるところがあった。
ギスギスした社会だけど、何かできることを探して実践していきたい。











