一年とぼける "フェミニズムはみんなのもの" 2026年8月4日

フェミニズムはみんなのもの
フェミニズムはみんなのもの
ベル・フックス,
堀田碧
これカルトの洗脳とやってる事同じですよ。入門書と位置付ける事で知識のない人にアカデミズムへの反感を植え付けた上でフックスこそが「唯一の」「真の」フェミニストである、と刷り込ませようとしてる。自分の様に元々フェミニズムの知識があるならそれらの詐術を看破できるけど、知識のない人では簡単に騙されてしまう。非常に有害で不実で卑怯。読み終わって、むちゃくちゃ怒ってます。こんなものは読まれるべきではない。今ならばこの本に頼らなくても良質で包括的な入門書はいくらでもあります。全ての人におすすめしません。 参照文献もデータも殆ど示される事なく、フックスによる「ラディカル」で「洞察力にあふれた」対抗言説が示されるというのがこの本の基本構造です。つまり、誰のどんな主張なのか具体的に知れる手段を読者から遮断した上で、自説を正しいものとして提示しています。フックスが「保守的な」「改良主義」フェミニストの言説としているものは、実在するのでしょうか?少年凶悪犯罪や児童虐待の増加を過去のフェミニズムの失敗の結果として挙げていますが、それは本当に増加していたのでしょうか?分かりません。参照すべきものが何も提示されていないからです。この本の言説を信じるには、信ずべきものを何一つ示していないフックスが嘘をついていないと信じるしかありません。 そのフックスによる言説も問題だらけで何処から突っ込んでいいのか、といったものですが、データや文献を示すのも大変なので一つだけ。 コンシャスネス・レイジングの場がアカデミズムに奪われたために、フェミニズムがアカデミズムによって独占されているとし、フェミニズムを市民の場で再興しようと主張していますが、これは端的に間違いであり、フェミニズムという歴史や活動への侮辱と言っても過言ではないと思われます。フェミニズムが草の根の、市民の場から離れアカデミズムのみに独占された瞬間などない。アメリカのデータは出せませんので日本のものになりますが、WANのミニコミ図書館を覗くだけでもそれが分かると思います。様々な要因による増減はありますが、絶えた事など一瞬もない。 というか、そもそも保守的やら改良主義やらで装飾した「フェミニスト」言説というのもかなりアンフェアな取り上げ方で、この本で紹介されている様な主張が無かったとは言わないが、それがマスメディアはともかくアカデミズム内で主流なフェミニズムとして扱われていたのかというのはかなり疑問符が付く。出版年月が2000年とすると、よりラディカルなフェミニズム理論が既に産まれているはずだし、今に直接繋がるジェンダー論なんかも登場し出した後のタイミングのはず。なのに、それらの学説には目も向けずあたかも当時のアカデミズムが保守的で改良主義的な、端的に言えば生温い白人至上主義者フェミニズムのみであるというのはかなり無理があるのではないか。論拠はもちろん示されていないし。 フックスが本書内で用いるフェミニズムについての「初期」や「全盛期」といった語も大変気になる。一般に初期フェミニズムと言えば第一波フェミニズムを指すが、フェミニズムの波についての解説は特にされていないし、文脈から察するにおそらく公民権運動時代を初期と定義しているが、あまりにも不親切で特殊な用法すぎる。全盛期はおそらく70年代のウーマン・リブ期を指しているが、90年代だって第三波フェミニズムの真っ只中な訳で、全盛期を70年代のみとするのは恣意的すぎる。まるで公民権運動時代に突然フェミニズムが生えてきたかの様な書き振りでもある。第一波フェミニズムについては完全に無視されている。フックスにとってブラックフェミニズムの視点のないフェミニズムはフェミニズムと認めていないのかもしれないが、それを示さずに「初期」やら「全盛期」やらとフェミニズムを定義するのは定説からは離れ過ぎている。フェミニズムを学ぼうと手にした人にとっては不親切極まりない。 総合して、フェミニズムという歴史や先達への軽視、肯定にせよ否定にせよ自ら以外の殆どを顕名とせずに語る態度。これらを入門書という名で飾り立て、そこから入って来た知識のない読者たちはフックスこそが「真の」フェミニストであると思わないでいられるだろうか。 悪意を持って解釈すれば、フックスにとりフェミニズムとは自らの「経験(≠知識)」のみを指し、フェミニズムの未来を示す「真の」「唯一の」フェミニストとは自らのみである、と主張しているとさえ解釈出来る。この解釈を否定する論拠もまた、本書内で示されていない。 もしフックスが『フェミニズムはみんなのもの』と嘯きながら本心としてはフェミニズムは「わたし」のもの、と考えていたのなら、一フェミニストとして痛烈に批判しなければならない。フェミニズムはみんなのものだ。フェミニストでも、反フェミニストでもフェミニズムはみんなのためのものだ。こんな杜撰で不誠実で卑怯な言説を、フェミニズムを独占しようとさえ思われる不実なクーデターを許すわけにはいかない。
yo_yohei
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@yo_yohei
この本、たまに旧twitterで見かけていました。そんな本だったんですね。情報ありがとうございます。
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