
森乃栗
@readskm
2025年7月16日

アンチ・アンチエイジングの思想
上野千鶴子
読み終わった
ボーヴォワールが1970年に出した「老い」をコロナ禍に読んだ上野さんによる論評。生きることと老いることについて、上野さんの考えがはっきりとわかる。
第14章から終章までが素晴らしかった。老いることをありのままに受け入れること、人間が依存し依存される形でしか生きられない存在であることが認められない社会、依存が許されない社会こそが悪だと書かれている。
自分のなかにある自立志向が、自立が難しくなってきた親をケアするときに心理的な抵抗の源になっていると常々感じてはいたけれど、それは自分の性向というよりも、時代や社会の要請を身体化した結果かもしれないとふと思った。
ひとの尊厳が守られる社会は自分の尊厳も守られる社会だと感じる。安心して老いたいと願わずにはいられない。



