
サヤ
@sayaemon
2025年7月17日

クローディアの秘密
カニグズバーグ,E.L.,
松永ふみ子
読み終わった
大貫妙子の「メトロポリタン美術館」は聴いたことがあっても、「夜の博物館、天使の像、ヴァイオリン&トランペットのケース」といったモチーフが、この『クローディアの秘密』からとられているとは知らなかった…!
「家出をした姉弟が博物館に隠れ住む」というあらすじだけでも勿論わくわくするけれど、物語の真の魅力は設定や道具立てではなく、クローディアとジェイミー2人の愛すべき個性と人間性にある。
お互いの長所短所を上手に(そして勿論喧嘩もしながら)補い合って冒険を続ける中で、クローディアが出会う「天使の像」。
大人達が美術的、学術的価値について論じる中で、クローディアだけは像から全く別の学びや気付きを得て、大人になろうとしていることを見抜く夫人。
この辺りが描かれる物語終盤を特に楽しく読んだ
ラスト、夫人が「知識は集めるばかりではなく、からだで感じなさい」と教えてくれるシーン。素晴らしい言葉だと感動したし、作者が化学教師であると知って納得した。
知的好奇心が旺盛な子供にこそぜひ読んでほしい一冊。



