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ネ
@ne_
  • 2026年3月4日
    世界99 下
    世界99 下
    (ネタバレ) ピョコルンとは、性、出産、家事、可愛さ、かつて女性が押し付けられていたそれらを望んで担うとされているリサイクル人間。二つの性のさらに下を作ったことで、人が性的感情を向けられることは表向きには無くなった。すると、やがて人々はピョコルンに憧れ、ピョコルンになりたいとすら願うようになる、その歪さ。 主人公を家事の、かつては性の道具として使い、現在はピョコルンを性の捌け口として使い、かわりに彼らを養うために職場で使われていた結婚相手は、混乱の中自ら望んでピョコルンになった。このあたりの疾走感がたまらなく面白かった。 被害者には被害者としての通底した欲望がある。ということをテーマにした小説を思い出した。ギブとテイクの関係やバランスによって、それらには歪な感情が付きまとう。 世の中と齟齬をおこさずに幸せに輪の中にいられたらそれはとてもいいことだと思うが、実際そんな簡単な話はない。それを徹底して描いたのがこの小説だ。人の感情らしい行動のそのどれもが何らかの欲求において他者を便利に使うための行動、環境に誘導された行動として描かれている。本当はそう、それだけなのかもしれないと感じさせるだけの文章で、おののくとともに読む手が止まらなかった。 やがて均一な性格をもつ、何も問題のない人々が暮らすクリーンな世界がやってくる。その中でも人は感動を、可哀想な人を求める。慎まやかで美しい心のままで。世界99で彼女はそれを眺めている。世界99の彼女が。 「雨」に関する表現の秀逸さや、白藤さんの様子を表現するときに色を多用するお決まりがユニークでにやとした。普通の人々が辻褄を合わせるためにとる奇妙で普通な行動へのシュールな笑い、記憶の齟齬へのざわつき。あまりにも共感のしづらい主人公に、絶妙に共感や感情のようなものを読み取らせてくる。すごい文章表現。面白かった〜。上巻の勢い、下巻の停滞と収束。構成もみごと… 「誰もが誰かにとってのピョコルン」という知人の感想は、私には…。徹底してディストピア的に考えればそうなのかな。いろんな気持ちになるいい長編でした。
  • 2026年2月19日
    世界99 上
    世界99 上
  • 2026年2月18日
    生き物の死にざま
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