ピエタ

9件の記録
- 胡花@scyxmcy74232025年4月5日読み終わった芸能人の方の朗読は苦手意識があったのですが、見事にくつがえされました。小泉今日子さん、素晴らしかった。この小説の昔風の上品な言葉遣いを読み上げるのにまるで違和感のない情感豊かな朗読で、何度も胸がグッとなりました。小説そのものも素晴らしかった。ベネチアに生きた女性それぞれの人生の困難と喜び、それらが交錯して寄り添うさまを優しく温かく描き出しており、ラストの合奏は、まさに音楽のクライマックスで心を美しい旋律で満たされ陶酔するようなエモーショナルなラストだった。
- Hoshiduru@lilimoe2025年3月15日読み始めた評判が良さげなので読んでみるけれど、最近展開が早い、もしくは重い話ばかりでこんなに静かでゆるやかな話は久々で……まだ世界に慣れきってない たぶんまだ話が始まってないので、ここからに期待してる
- ひよこ@tsumu_books2025年3月3日聴き終わったAudibleにて。 これは紙で読むのとはかなり読書体験が変わる。 基本的には紙で読みたい派で、「audibleのほうが良かった」という本はそんなにないのだけれど、これはaudibleでよかった1冊かもしれない。 芸術の街ヴェネチアを舞台にしながら、描かれるのは華やかで豪奢な側面だけではない。ピエタに捨てられた子供たちのつましくも美しい暮らし、美しさと知性を持ち合わせ、稀代の音楽家と恋をする娼婦の気高さと寂しさ、老いてなお助け合いながら生きていく女たち、貴族として生まれ落ちたことに苦悩する娘。様々なひとの暮らしと強さが描かれた作品だと思う。 物語の中心に据えられているのは、アントニオ・ヴィヴァルディ。けれど物語は彼が亡くなるところから始まる。彼はすでに失われているが、彼を取り巻く人々の毎日は続いていく。 ある種ミステリー的な要素もあるが、主題はそこにない。単純に彼の喪失を嘆く人々の話でもない。なんとなく、誰かを失うってこういうことだよな、とも思う。ドラマチックにその人との思い出を抱えて生きる…‥ということもあるのだろうけど、大抵はそうではない。折々に誰かと話す中で思い出したり、なんでもない時にふと記憶が蘇ったり。なんというか、その程度でよいのだ、という気もした。 それから、きっと多分間違いなく、冬のヴェネチアは美しい。ヴェネチアを訪れるなら、冬がいい。