9zilla
@whi1e
- 2026年9月19日
- 2026年9月11日
- 2026年8月26日
華氏451度〔新訳版〕レイ・ブラッドベリ読み終わった『華氏451度』読了。モンターグの心情の変化、物語のヒリヒリとした臨場感がよかったが、特に印象に残ったのは ・ベイティーの「第四の壁」を超える語り:様々な文学や劇からの引用や読者に訊くような語り口 《ものの喩えを証と見あやまり、とめどない饒舌を偉大な真理と履きちがえ、おのれのことばを神託と思い込む愚かさは我々に生得のものである》とかつてヴァレリーはいった、とな 放課後、きみらがいじめたり殴ったりする相手に選んだのは、そういう俊才君じゃなかったか? ・物語の端々から見られるとても高い精度の、未来予知のような世界設定:耳や目に常時つながれた情報装置、短縮していく情報の数々 ベイティーがモンターグに言った「これ(昇火士)はお上のお仕着せじゃない。声明の発表もない、宣言もない、検閲もない、最初からなにもないんだ。引き金を引いたのはテクノロジーと大衆搾取と少数派からのプレッシャーだ。」ということば ・モンターグの内面/記憶の変化:妻との思い出を最後の衝撃の間際に思い出すという構成。隠したいものがモンターグを覗いているという表現。分裂していた内面を一つにし最後に「鏡」を作っていくという話。思い出し語り掛けてくる"伝道の書"と"黙示録"の一部 サスペンス小説ではなく、読み手を変えうる啓発的であり、啓蒙的な、哲学的な小説だった 各々、記憶しておきたい本があって記憶した。 我々は決して重要人物などではないということだ。 知識をひけらかしてはならない。 他人より優れているなどと思ってはいけない。 我々は本の埃よけカバーにすぎない、それ以上の意味はないのだからな。 - 2026年8月20日
魚が存在しない理由 世界一空恐ろしい生物分類の話ルル・ミラー,上原裕美子読み終わった『魚が存在しない理由』読了。 前半と後半で、物語への引き込まれ方が全く異なる読書体験だった。 序盤(3章あたり)は、分類学者デイビッド・スター・ジョーダンを追う過程で、著者自身の自分語りや個人的な感情が入り混じる点にノイズを感じ、「この主観は不要では?」と戸惑う部分もあった。 しかし後半、薄皮がめくれるように事態が反転していく展開に圧倒された。ジョーダンの志や表面的な偉業と、それが引き起こした社会的反応の恐ろしい乖離。そして、今なお残り、えぐられ続ける歴史的汚点(優生学)の重み。 そこから書籍のタイトル「魚が存在しない理由」へと繋がる残酷で美しい事実の提示は圧巻。近年の読書の中でも、深く心に爪痕を残す一冊になった。 - 2026年5月26日
狂気の山脈にてH・P・ラヴクラフト,南條竹則『時間からの影』読了。 前作『狂気の山脈にて』が空間的な恐怖なら、今作は「時間と自我」の恐怖。文句なしにやばい傑作。 単にバケモノに肉体を乗っ取られたという話にとどまらず、精神交換のディテールが明かされるにつれて、「自分を乗っ取ったのは誰か」ではなく「自分が誰かを乗っ取っていたのではないか?」、あの暗闇の足跡も自分なのでは……と、自分の存在の境界線が崩れていくような知的な困惑とゾクゾク感がたまらない。 そして何より、ラスト一行の破壊力。数億年前の古文書に見つけた「自分自身の筆跡のアルファベット」という、悪夢を現実に変えてしまう最悪で美しい物理的証拠に鳥肌が立った。ラヴクラフトのSFホラーの最高峰だと思う。 - 2026年5月18日
狂気の山脈にてH・P・ラヴクラフト,南條竹則『狂気の山脈にて』読了。 読みたくなったり、手が止まったりを繰り返しながらなんとか完読。表現がくどすぎたり同じ描写の繰り返しが多かったりしたものの、間違いなく傑作といえる内容だった。 散りばめられた少しの違和感や、第四の壁を越えてくるような恐怖の描写が素晴らしい。特に「見知らぬ匂い」から「知っているガソリンの匂い」に変わったシーンは、目の前に恐怖が迫っている生々しさを十二分に引き出していた。 事象がドミノ倒しのようにパタパタと繋がり、伏線が回収されていく展開は、まさに名作と呼ぶにふさわしい見事な構成だった。 - 2026年4月20日
狂気の山脈にてH・P・ラヴクラフト,南條竹則祝祭 読了 人のいない町、足跡のない道など不気味さを植え付け、催事のために合った人には表情が変わらず仮面をかぶっているといい。そのうえ人でごった返す教会に入るとき後ろを見ると自身のものを含め、誰一人の足跡も雪道には残っていないという表現はとてもぞくぞく、じくじくとした恐怖を感じられた。 - 2026年4月12日
狂気の山脈にてH・P・ラヴクラフト,南條竹則読んでるダゴン 読了 さすがだった。一つ前の章の消化しきれない感じをすべて洗い流すほどの爽快感のある恐怖感、絶望感。巨大海洋生物を想起させる文章から、得も言われぬ、名状しがたい感覚をどくどくと感じさせる独白だった。 - 2026年4月1日
- 2026年3月23日
狂気の山脈にてH・P・ラヴクラフト,南條竹則読んでるランドルフ・カーターの陳述 ピックマンのモデル エーリッヒ・ツァンの音楽 まで読了 ピックマン〜が特に良かった ほか2つと違い鼻先スレスレまで来るような恐怖を感じた すべて鳥肌が立つ独白のような作りで聞き入ってしまう
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