ゼロからの『資本論』

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- ノエラプトル@Di_Noel022024年6月12日読み終わった資本主義と経済成長の落とし穴を、マルクスの『資本論』をもとに的確に批判した本。経済「成長」というと聞こえがいいかもしれないが(実際自分もこの本を読むまでいいことだと思っていた)、資源や地球環境は無限にあるわけじゃない。自然から搾取し、破壊を続けてまで「成長」する社会って、本当にいい社会なんだろうか。 しかも資本主義から搾取されているのは、自然だけではない。グローバル・サウスの国々や、「先進国」(正直どこが「先進」だ、と個人的には思うが)と呼ばれる国でも、貧困層の人々はその日その日を生きることで必死だ。労働者たちを低賃金で長時間雇って、特に非常勤の職員やエッセンシャルワーカーの人たちの疲弊は目に見えている。 資本主義が日本で、世界各地で限界をむかえている。それでも市場で競争は続き、価値は増殖され、資本家が無限に金稼ぎしている現状に絶望しそうになる。でもこの本で「コミュニズム」の存在を知って、実現は困難かもしれないが、とても興味を持った。 というか、少し前に読んだ伊藤野枝の「無政府の事実」に出てきた共助の考えとそっくりだった。一部の資本家が資源や富を独占するのではなく、みんなで社会の富を共有・維持して助け合う。かなりのユートピアかもしれないけれど、人類や地球の未来を守るためにはこれしかないと思う。