サッカー・グラニーズ

サッカー・グラニーズ
サッカー・グラニーズ
ジーン・ダフィー
実川元子
平凡社
2024年9月20日
3件の記録
  • 昨年度読んで一番衝撃を受けた本。南アフリカのおばあちゃん達がサッカーチームを作って活躍する、というストーリーだが、ただのスポーツもののサクセスストーリーではなく、そこには南アフリカに根強く残るアパルトヘイトや女性差別、貧困と戦ってきた歴史との交錯がある。女性は晩年痴呆症になると魔女扱いされて殺されてしまうエピソードなどが衝撃。サッカーで健康になることは(実際に癌を克服して健康になった方の話もあり)、生きるための切実な手段でもああるが、それを克服していく中で差別と偏見を克服してそれを世界に広げていったストーリーが感動的。それはサッカーという万国共通のスポーツだからこそ成し得たのかもしれない。 本の冒頭にグラニーズたちの写真が掲載されているが、どれもとても楽しくて美しい。勝っても負けても試合後は皆で歌って踊って感謝の意を表すのだという。必読
  • fuyunowaqs
    fuyunowaqs
    @paajiiym
    2025年1月9日
    副題のとおりの内容。 ノンフィクションはあまり選ばないし、スポーツにも興味を持てないたちだが、原倫子さんの装画に惹かれて読んだ。バオバブのシルエットを活かした本文デザイン、交流のドキュメンタリーと個人のインタビューを交互にした構成もよかった。 人種・年齢・性別を理由におぞましい差別に晒されてきた高齢女性たちの語りが生々しい。だが一人ひとりの境遇も受け止め方も驚くほど異なっていた。近しい属性を有する人々を一絡げに見てはいけない、ひとりの人間として耳を傾け、想像すること、寄り添うこと、記録を残すことが重要だと感じた。
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