おかしな本棚

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- ユメ@yumeticmode2014年8月2日かつて読んだ感想いつもの架空の世界ではなく、(ほぼ)実在するものが並ぶ本棚の背表紙を眺める本。金曜日の夜の寝しなに読むのがよい。逸る心を緊張が牽制する。何と言ってもあのクラフト・エヴィング商會の本棚を見られるのだから。いざ頁を開くと、大変「本棚欲」が高まって困る。森の奥の本棚、金曜日の夜の本棚、美しく年老いた本棚、どれもこれも作ってしまいたい。『おしてもだめなら』であいうえおの海を泳ぐ。『CLOUDS NOTE』に溢れるインスピレーションの心地良い刺激。まだ見ぬ『クラウド・コレクター』の世界への憧れが募る。 しかし、この本が教えてくれる一番の愉しみは、まだ読んでいない本が本棚に並んでいるということだ。いつも感じていた積読の幸福を、こうして語る人に初めて出会い、共感してもらえたような喜びに震える。「なにこれ」「最高」なこの本を、とっておきの本棚と、いつまでも読んでいたい本棚に並べよう。 それにしても、「波打ち際の地図」という表現は、現実と架空の曖昧な狭間を揺蕩うクラフト・エヴィング商會の魅力にぴったりだ。