地下室の手記(新潮文庫)

10件の記録
- 勝村巌@katsumura2025年9月24日読み終わった東浩紀さんがドストエフスキーならここから読み始めると良い、という話をしていたので手に取ってみたが、かなり強烈な小説だった。 「僕は病んだ人間だ」から始まるこの小説は、ドストエフスキーの分身と思われる42歳のうだつの上がらない無職の男(それまでは八等官、係長クラス。多少の遺産が入ったので退職したと思われる)が主人公。 病んだ人間として、とにかく主人公が嫉妬や猜疑心、被虐心などを隠さずに生きていく、というストーリー。 嫉妬や猜疑心を抱えた人間の行動を明確に言語化しているのが特徴で、自分も似たようなところがあるので、非常に陰鬱な気分になる。 陰鬱な気分になるが、それを的確に描いているので、すごいな! と思う。僕もそういうふうに考えて、浅ましくもそういうふうに動いたことがあるし、みたいな感じを全体から受け取れる小説。 心の動きを書く、という小説の表現形式の特徴を最大限に発揮したマスターピース。読んで良かった。



RIYO BOOKS@riyo_books2021年1月30日読み終わった人間がしてきたことといえば、ただひとつ、人間がたえず自分に向って、自分は人間であって、たんなるピンではないぞ、と証明しつづけてきたことに尽きるようにも思えるからだ。










